un cuoco curioso① (ページ36)

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【中等部】35 ページ36

Aは分子美食学(分子ｶﾞｽﾄﾛﾆﾐｰ)で使う機材を持っていなかったが、元々部室にある物を持って行っていいとアリスが申し出て運搬も行ってくれると言う。

試作から2週間経ちAは葉山が付き添う形で会場に到着した。
機材を搬入してくれたアリスと黒木場、Aがコンクールに出場するという事を聞きつけ見学に来てたタクミとイサミと合流する。

タ「まさか、編入生全員が揃うとはな。」
ア「うふふっ、何か変な感じよねぇ！」
葉「お前等…呑気だな…。」

編入生全員がAと交流がある事に驚かれそうだが、今はコンクール前でありAも多少緊張した顔をしていた。

イ「Aちゃん大丈夫ー？」
『…大丈夫。』
タ「しかしAは勝負事は嫌いなのによく出場しようと思ったな？」
ア「あぁ、それはね。コンクールは勝負と言うより評価されると言った方が近いって言ったの。」
タ「あぁ…、そういう事か。」

優劣でなく評価ならとタクミは納得した。
今回Aが出るのはフレンチのコンクールであり、出されたお題に沿う品を作り審査すると言う内容だった。
当日までの2週間、アリスに分子美食学(分子ｶﾞｽﾄﾛﾆﾐｰ)に加え黒木場から魚介の知識や調理法を学んだ。
そこに入学から葉山に教わっていたスパイスの知識を加える事で、最終的に完成したAのコンクール用の品は上々の出来だった。

『…じゃ、行ってくるね。』
葉「行ってらっしゃい。」

葉山を筆頭に各々Aを送り出し、自分達も良い席に着く為客席に向かった。

葉山達と別れスタッフの案内で更衣室でコックコートに着替えた後、指定された調理台で食材と機材のチェックを行う。
特に問題も無く後は開始を待つだけのAはナイフケースと持参したスパイスを置き他の参加者を眺める。

『(学生もいるけど、大人の方が多いか。)』

中学生から参加可能のコンクールの為に学生もいるが、8割は大人が参加しているAはどうでもいいかと考える。

司「皆様、お集まり頂き誠にありがとうございます。今回のコンクールのお題は【フレンチ】と【カニ料理】となっております。」

コンクールが始まったのか司会が観客に向けて説明をし始めた所でAは包丁とスパイスをケースからだし並べる。

司「制限時間は2時間。時間以内に調理し審査を行った上で集計後に優勝者の発表となります。それでは…調理開始!!」

(アリスは薊の旧姓を知らないので中村Aに違和感を感じません。)