【中等部】33 ページ34
城《よぉA！久しぶりだなぁ〜、どうかしたか？》
『うん。父さんにコンクールの事聞きたくて。』
城《コンクール？料理コンクールか…、出たいのか？》
『うーん、欲しい機材を買う時にお金が無いと困るから今の内に貯めとこうかなって…。』
城《賞金目的かぁ、意外とがめついな!そーだなぁ…コンクールに出るなら'才波'を名乗るのはやめておけ。》
『…どうして？』
城《いや〜、昔コンクールで優勝しまくってたから…。恐らく'才波'ってだけで審査に影響が出るし、審査員からすげー絡まれるぞ。》
『………。』
城《もし出場するなら'中村'にしとけ。》
何故中村なのか疑問に思ったAだが、偽名なら良いのかと納得する。
城《'中村'はAのお父さんの旧姓だ。そっちのがいいだろ？》
『…お父さんの旧姓。分かった。』
意味も無しに言った訳でなく、父・薊の旧姓を使えという城一郎は内心複雑であった。
しかしAからしたら逆に父の旧姓を知れ且つコンクールに出る時は名乗れると喜ぶ。
Aは城一郎からコンクールの参加方法などを聞き通話を終わらせると自室のパソコンを立ち上げ、コンクールの開催を調べる。
＊
夜遅くまで調べていたAはいつもより眠そうにゼミに向かうと入口の傍で葉山が待っていた。
『…おはよう。』
葉「おはよう、眠そうだな。昨日コンクールの事調べてたのか？」
『うん。まだピックアップしてないけどデータで纏めてきた。』
葉「仕事早いな…。授業の合間にでもピックアップするか。」
そういうと葉山は眠そうなAと共に教室に向かうと早速コンクールのピックアップに入る。
違う教室から態々声を掛けに来たアリスと黒木場、登校してきたタクミとイサミが加わりHR直前にはピックアップが終わり他クラスのアリスと黒木場は教室に戻って行く。
タクミ達も担任が入って来た為席に戻り、ピックアップされたデータをAはしっかり上書き保存し放課後に見ようと思いつつパソコンを鞄に仕舞った。
放課後はアリスに
既に待機していたアリスは機材の調子を確認していた。
ア「2人共ごきげんよう。Aちゃん、今日は何を作りましょうか。」
『…オムライス。』
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作者名：水煮缶 | 作成日時：2023年6月30日 0時
