un cuoco curioso① (ページ33)

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【中等部】32 ページ33

『コンクール？』
ア「そっ！」
葉「あぁ、偶にコンクールで上位に入ったって話が出てたな。」
黒「……お嬢、才波が優勝できる前提なんすね…。」
『……あまり勝負事したくない。』

料理コンクールで優勝すれば賞金とトロフィーが貰えるし美食家と繋がりも作れるとアリスは言うがAはあまり乗り気でなかった。

葉「Aは勝負事が嫌いだから難しいと思うぞ？」
ア「勝負事かしら？食戟と違って自分の作った品はどう評価されるのかを知る良い機会じゃない。」
黒「お嬢……、あんま無理強いしない方がいいっすよ…。」
『…評価。それなら良いかも。』

意外な事にアリスの言う事に納得したAは帰ったら調べてみようと考えた。

黒「……勝負事が嫌いじゃなかったのか？」
葉「勝敗…他人との優劣を比べる事が絡むのは駄目だが、評価なら別だろ。」
黒「あぁ……、そういう事か…。」

意外と面倒くさい所もあるがアリス含め薙切家よりは圧倒的に常識的な奴だと黒木場は思いつつ、以前調べたコンクールの賞金額を思い出す。

黒「…前にあった有名なコンクールは年2回の開催で……、賞金が1000万だったな…。」
『…優勝出来たら、でしょ？』
葉「年2回で有名なコンクールより地道に数を熟した方が良いかもな。」
ア「それだと…、小学生が含まれないコンクールなら最低でも30万。企業系のコンクールなら200万って所かしら。」
『うぅん、…とりあえず調べてピックアップする？』
葉「そうだな…。料理のジャンルと開催場所も纏めるか。」

話のキリがいいのかアリスはまた明日と言い黒木場と共に送迎車で帰って行った。
Aと葉山はコンクールやコンテストの話をしながらゼミに戻り汐見と合流した。

Aの嗅覚訓練の後、先日決まった企画に使うスパイスでいくつか試作し一息ついた段階でAや汐見にコンクールについて聞く。

『潤さん、料理コンクールってすぐ出られるものですか？』
汐「料理コンクール？え、Aちゃん出るの？」
『ちょっと検討中…。』
汐「うーん、私はスパイス系しか出た事無いけど…。才波先輩なら詳しいよ。」

そこで何故父が出てくるのか不思議に思ったが後で電話してみると言いAは帰宅の準備を進める。

極星寮に戻ると食事と寝支度を済ませゆきひらが閉店した後の時間にAはあまり使わないスマホを取り出し城一郎に電話を掛ける。