【中等部】31 ページ32
アリスは間近で眺めるAに機材の名前と何ができるか説明しながら調理を進める。
Aも葉山も説明を真面目に聞きながらアリスの調理を観察していると先程の同じ品が出来上がった。
ア「さ、召し上がれ。」
葉「『いただきます。……!?』」
美味しい、けれどどう言い表していいのか分からず困惑する。
『…ピザ？』
葉「…言われてみれば……。見た目も食感も違うがクアトロフォルマッジか？」
ア「そうよ！昨日Aが
『…美味しい。けど驚いた。』
葉「美味いけどこれはビックリだ…。見た目は完全にデザート系だからな。」
だからトマトを使っていたのかとAが言うとアリスは嬉しそうにお茶を啜る。
ア「あ、そうだわ。Aちゃん、あの機材使わないかしら？」
『…元々ここにあったやつ？』
ア「えぇ、私のより二世代古いけど練習するなら丁度いいと思ったの。」
葉「有難く使わせて貰えよ。後、俺にも使わせてくれ。」
『…分かった、後で使い方教えて。』
なら明日から練習で何か作りましょとアリスはニコニコと嬉しそうだった。
機材や器具を片付けた黒木場が合流し、得意料理や黒木場とアリスのいた国の話など世間話に花を咲かせる。
先日のアリスと接触した日同様に最終下校時刻まで入り浸ってしまったAと葉山はアリスと黒木場と揃って帰宅の為校舎を出る。
ア「Aちゃん、明日何を作るか決めた？」
『…まだ。………。』
葉「どうしたA。」
『……あの機材って幾らするのかなって。』
ア「あら、買いたいの？」
黒「…お嬢の持ってる遠心分離機でたしか…500万…。」
葉「500万もするのかあれ!?」
やはり機材の価格は高く、メーカーや型によって値段が変わる為1000万以上する機材もあると黒木場が言う。
そんな高価な機材を元部長から徴収した挙句隅に追いやったのかとAと葉山は恐れ慄いた。
ア「買うなら私と同じメーカーをオススメするわ！」
『…使い慣れたら買いたかったけど…、高いなぁ。』
黒「…まぁ、普通ならスチコンとか分離機は買わないからな……。」
葉「いや、その前に金銭的に無理だろ。」
ア「ならコンクールに出てみたらどうかしら？賞金が出る大会で優勝すれば問題ないでしょう？」
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作者名：水煮缶 | 作成日時：2023年6月30日 0時
