un cuoco curioso① (ページ4)

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【中等部】03 ページ4

汐「え…!?……なっ!!才波先輩！？なんで！？」

長らく会う事無かった、ゲテモノ料理の加害者である城一郎が突如現れた為汐見は慌てふためく。
脳裏には過去に遭ったゲテモノ料理が過るが、それ以前に何故ここにいるのか。

城「おー！久しぶりだな汐見。」
汐「ひ、久しぶりです先輩…。でも何で遠月に…？」
城「ん？そりゃぁ娘の入学式に出てたんだ。んで、ついでに寄ったって訳。」
汐「あぁ、だからスーツなんです、ね？…ん？娘？………えっ！？才波先輩に娘!?」

あ、因みに養子なーと軽く返答する城一郎の後ろ扉の陰に制服を着た女の子に気付く。
"あの"才波先輩の娘…と汐見は警戒するが、城一郎はそんな物露知らず。

城「Aー、そんなとこいないでこっち来い。」
『…ん。』

扉の陰からスッと細身の女の子が出てきた。
葉山より少し低い位の背丈だが、これから成長したら綺麗な子になるなと汐見は思った。

『才波Aです。父がご迷惑をお掛けしました。』

対面して間もなくAは頭を下げた。
Aは陰から聞いた感じ城一郎から聞いたゲテモノ実験されていた人と分かってしまった為に開口一番謝罪する事とにした。
Aも引き取られてから暫くして、城一郎と創真のゲテモノ勝負の第一被害者になったAはトラウマになるのも分かるとある種同情していた。

汐「え！？あ、貴女が謝る事じゃないよ！」
『いえ、本当に…。"あれ"は只のトラウマ製作機ですので…。』
汐「(あ…、この子も被害者なんだ…。)」

汐見からすれば城一郎の親族と関わりたくないとは思っていたが、"あれ"の恐怖を知っている子、先程軽く言われた養子という事と助手である葉山と同い年という事もあり邪見にするには悪いと考えた。

汐「あ！そうだ自己紹介！私は汐見潤。才波先輩…Aちゃんのお父さんの後輩で、スパイスの研究をしながら遠月で教師もしてるから授業で会うかもね。ほら、葉山君も挨拶！」
葉「…葉山アキラだ。」
『汐見さん…と葉山君、よろしくお願いします。』

Aは訝し気に見遣る葉山に目を合わせるが、直ぐに汐見に向き軽く会釈をする。
一通り自己紹介も済み、汐見は何故城一郎がここに来たのか思い出す。

汐「そういえば、なんで才波先輩はここに来たんですか？」

そう言われた城一郎も忘れていたのか、ここに来た理由を話す。

城「あーそうだった。Aがかなり前にスパイスに興味持ってから上手くいかないから、
一度汐見に合わせみようと思ってな。」