un cuoco curioso① (ページ30)

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【中等部】29 ページ30

ア「図書室？何か調べもの？」
『………分子美食学(分子ｶﾞｽﾄﾛﾆﾐｰ)について。』
ア「まぁ！だったら私が教えてあげるわ！」

一人で図書館で調べようとしていたが分子美食学(分子ｶﾞｽﾄﾛﾆﾐｰ)に詳しいのかアリスが申し出る。

『…(どうしよう)。』
ア「食材から抽出される成分や温度による食材の科学的な変化ならすぐ教えられるわ。調理は食戟の後に実際機材を試しながら教えてあげるわ。」
『……分かった。』

了承したAに喜ぶアリスは教室に行きましょとAはアリスに手を取られ教室にて最終下校時刻までアリスから分子美食学(分子ｶﾞｽﾄﾛﾆﾐｰ)の基礎知識を軽く教わった。

昇降口にてアリスから3日後の食戟は絶対見に来てねと念を押されつつ別れゼミに向かう。
ゼミの明かりが着いている事で所在が分かったAはゼミの扉を開けた。

葉「A、まだ帰ってなかったのか。」
『うん。どうだった？』
汐「無事に企画が通って、今度監修する事になったよー！」

直前まで企画が通るか挙動不審だった汐見から嬉しい報告を受けAはほっと息をつく。
葉山はAがこの時間まで校舎に居た事が珍しく思いながら研究会の事を尋ねた。

葉「研究会の方はどうだった？」
『あぁ、なんか食戟するんだって。』
葉「…は？」

どういうことだと言う葉山にAは事のあらましを説明すると、複雑な顔をする。

葉「それで食戟かよ…。流石薙切の血族って所か？」
『それで見学は食戟の後になって、その後アリスが分子美食学(分子ｶﾞｽﾄﾛﾆﾐｰ)について軽く教えてくれた。』
葉「……え!?」

絶対にAはえりなの従妹とは無理だろうと思っていたが、まさかAの口から初対面で名前で呼びしかも分子美食学(分子ｶﾞｽﾄﾛﾆﾐｰ)を教わったと衝撃的な言葉に葉山は目を見開く。

『食戟が終わったら機材使いながら調理も教えてくれるって。』
葉「…俺、Aは薙切の血族だから無理だと思ってたわ。」
『なんか事前に聞いてたみたい。』
葉「そうか。でも良かったな、分子美食学(分子ｶﾞｽﾄﾛﾆﾐｰ)が学べて。」
『アキラも来るでしょ？』
葉「勿論。」

＊

最先端料理研究会とアリスの食戟当日にAと葉山は設営された会場で試合の開始を待つ。
あの薙切家という事もあり会場には観客も少なからず入っていた。

会場内の調理スペースには双方持ち込んだ機材が並んでいる。