un cuoco curioso① (ページ26)

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【中等部】25 ページ26

今ので嫌われてしまったかもと落胆するタクミであったが、Aからは意外な言葉を発する。

『どっちが上かよりも、お客にどれだけ店が愛されて求められてるかの方が大切だと思う。』
タ「え…？」
『同じプロの料理人って言っても国も環境も違う。それでどちらが上かって言われても求めるお客が違えば意味が無い。』

Aは育った環境故に得意料理も違う事を指摘する。
実際タクミはイタリアンの課題なら高評価も貰えるが、日本料理ならAに負けるだろう。
お互い違う国で生まれ育ち、同じ大衆料理店でもジャンルが違うのに勝負する意味があるのかとAは諭される。

タ「それは…そうだな。才波さん言う事に一理ある。」
『…なんで勝負したっかたの？』
タ「そ、それは……っ。」
イ「兄ちゃんね、客に立ったことの無い人に負けるつもりは無いって言ってたよー。」
タ「～っイサミィ!!それは言わなくていい!!」
『あぁ、それは分かる。』
タ「え？」
『大衆料理店を見下して大口叩く奴もいるけど、お客の前に立った事もないし現場を知らない奴が授業ので出された同じレシピでも私達に劣るからね。』

基本最上評価がA判定をだが、A+判定を出せる講師からはA+判定も受けるA。
大口叩いた生徒は良くてB判定だが、講師が違えば判定も変わりA判定を受けていた。

Aがイサミの言葉に同意した事を以外に思うが性根は自身と近いのではないかとタクミは思う。
ただ、勝負事に興味が有るか無いかの違いではあるがプロの料理人として同じプライドを持つAに惹かれていく一方Aの品を食べてみたいと思った。

『勝負事は嫌だけど…、遠月のイベントで勝負みたいなイベントはあるよ。』
タ「…嫌だと言うなら無理強いはしないが、学校のイベントでは挑ませてくれ。あと良ければ今度創作料理を食べさせてくれないか？」
『…どっちも良いけど。』
タ「良かった…。代わりと言ってはなんだが、イタリアンで分からない事があれば聞いてくれ。」
『……郷土料理。』

あまり世間に知られていない郷土料理を知りたいとAの口から零れタクミは嬉しそうに了承する。

汐「(青春だなぁ～。)」
イ「(良かったね兄ちゃん嫌われなくてー。)」

そんな光景を汐見とイサミは微笑ましい顔で眺めているとスパイスを片し戻った葉山は微笑ましい顔をする2人とその光景をみて一体何があればこの光景になるのかと疑問を持った。