un cuoco curioso① (ページ22)

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【中等部】21 ページ22

翌日、Aの去年の出来事を知ったタクミは今日は絶対Aに接触すると意気込んでいた。だが昨日同じクラスだったと言う生徒とファンクラブに入ってる生徒からAは煩かったりしつこい人が嫌いで嫌われたら話もしてくれないから気を付けろと釘を刺されていた。

イ「兄ちゃんホントに気を付けてよねー。すぐ熱くなっちゃんだから。」
タ「わ、分かってる…！」

イサミに諭されつつタクミは教室を潜り多数の女子生徒から挨拶を受ける。
それを返しつつAが教室にいる事を確認すると荷物を置き、Aの元に向かう。

タ「…あの、才波さんで合ってるかな？」
『…。(たしか編入生だっけ。)』
タ「えっと…。(何も喋らない…!!)」

声を掛けられたAは顔を上げタクミと目線を交わすが何も言わない。
何も発さないAにタクミは内心慌てるが、とりあえず聞きたい事を聞こうと決心する。

タ「昨日クラスメイトから才波さんもオレ達と同じ大衆料理店って聞いて…。」
『………。』
タ「どんな店なのか聞きたかったんだが…。」
『………。(彼もアレと同じなのかな…。)』

日本とイタリアでは大衆料理と言っても部類が違う為、Aは去年の事を思い出し顔を顰める。
そんなAを見たタクミは何か不味い事を聞いたか、いきなり失礼だったのかと思い焦る。

イ「兄ちゃーん、その子人見知りだと思うよ。ごめんねー、才波さん。」
タ「え…、人見知り？」
『………。(丸い…マスコットっぽいなぁ。)』
イ「ボクはイサミ・アルディーニ。よろしくねー。」
『……才波Aです、宜しく。』
タ「(そういえば自己紹介もしてなかった…!)オレはタクミ・アルディーニ。よろしく、才波さん。」
『………。』

イサミの言葉にAは返すが、タクミには特に返さず居心地悪そうにするA。
そんな反応をされたタクミは強いショックを受けるが、良好な関係にしようと模索する。

葉「…何やってんだA。」
『あ、おかえり。』
イ「ごめんねー、兄ちゃんが迷惑掛けちゃって。」
タ「イサミ!？……まぁ、自己紹介をしないでいきなり声を掛けたオレが悪いが…。」
葉「(弟の方は平気そうだが、兄の方は微妙だな…。)…。で何言われたんだ？」
『……同じ大衆料理店でどんな店か？だったはず。』
葉「へー。…良かったな、ギリ話聞いてるぞ。」

Aの基準を良く知る葉山からそう言われ改善の兆しがある事に喜ぶが、葉山に言われてタクミは少々癪に障った。