un cuoco curioso① (ページ21)

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【中等部】20 ページ21

どこから出た情報なのか、始業式で紹介された編入生がA達のクラスになると男子生徒は言う。

葉「どこからの情報だよそれ…。」
男「さっきその辺でチラッと。」
『…鞄が掛かってない机あるね。』

2席あると教室を見渡したAがそう言い、薙切の血族で無ければ良いと思い2年時の選択科目の一覧を眺める。

男子生徒とペアの生徒も混ざり、選択科目について話し合っていると担任が教室に入って来た為各々自分の席に戻る。

担「これから1年間宜しくな。じゃ、転入生入ってくれ。」

未だ科目の一覧を眺めるAは案の定転入生が同じクラスなのかと思い教卓の方を見ると薙切家でなくイタリアの方だと分かると手元に視線を戻した。

始業式とあってHR後は授業も無く帰宅か調理室を申請して試作、もしくはゼミや研究会に向かう生徒に分かれるが女子生徒を中心にクラスの者が転入生に集まっていた。

葉「A、この後どうする？」

葉山はこれと言って転入生に聞きたい事も無い為、Aの元に寄る。
Aも特に興味無い様でHR前から科目一覧を眺めつつ決めあぐねていた。

葉「まだ悩んでるのか？」
『うん…。今年はフレンチかイタリアン外してスペインか中華取ろうかな…。』
葉「どっちかが2年連続になるならどっちも変えて良いかもな。」
『そうしようかな…。』

まだ時間はあるし他の科目も調べると言いAは科目一覧を仕舞い葉山と共にゼミに向かった。

HR開け、タクミ達は女子を中心にクラスメイトから質問の嵐にあっていた。
丁寧に質問を返していくタクミは質問はしないが話を聞いていた女子からの言葉に興味を持った。

女「タクミ君達も才波さんと同じ大衆料理なんだ～。」
タ「才波さん…？」
女「えーっと。あ、廊下側の後ろの席にいる黒髪の子が才波さん。」
タ「へぇ…。」

女子生徒に促され身体を向けると長い黒髪で綺麗な子が今言った才波さんかと思いつつタクミはAを見る。
正直、客の前に出た事の無い奴らばかりと思っていたタクミは同じ料理人が編入したクラスに居た事に感動し声を掛けようと考えたが葉山と共に教室を出てしまった。

タ「…彼女と一緒にいたのは？」
男「葉山だよ。姐ちゃんとペア組んでて、授業以外でもずっと一緒にいるな。」
タ「姐ちゃん…？才波さんの事か？」

タクミとイサミを取り囲んでいた生徒達はそうか知らないよなと言いつつ、去年の出来事とAの呼び方についてタクミとイサミに教える。