un cuoco curioso① (ページ18)

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【中等部】17 ページ18

HR開けに生徒達からいつも以上に絡まれる事も無くAは葉山と共にゼミに向かい、いつも通りに嗅覚訓練とスパイスを教えて貰い、Aもフレンチやイタリアンを教えていった。

先の授業以降えりなが接触しようとするが、Aが上手く撒くか葉山やクラスメイトがカバーしてくれた為顔を突き合わせる事無く過ごしていた。

入学して半年が経過し、Aはスパイスを十分扱え嗅覚も良くなり、葉山もサポートが遅れる事なくAの速さに付いて行けるようになった。
葉山は成長期に入り掛け、Aと同じくらいの背丈も今は汐見を抜いていた。

『…もう半年かぁ、早いねー。』
葉「そうだな。この半年で色々習得したなー。」

普通の学生よりも濃い学生生活を過ごしているA達は事前に申請した調理室に向かったいた。
いつもならゼミの調理場を使うが生憎設備の点検があり、仕方なく校舎の調理室を使う事にした。
Aが住む極星寮でも良かったが、Aは寝る以外で寮に戻る事も無く同じ寮に住む生徒は絶対に絡んで来るため選択肢には入っていない。

しかし運が悪いのか、A達が調理室に向かう途中まさに四つ角でえりなと新戸と鉢合わせる事となった。

え「！あ、才波さん…！あのっ…。」
『……チッ。』

普段見る事の無い程にAは顔を歪め足早にその場を離れようとするがえりなに腕を掴まれ立ち止まる。

え「待って…！せめて謝罪だけ…っ！」
『……。』

Aは見る事も無く無言で腕を掴むえりなの手を勢いよく叩き落とし先に進もうとする。
傍に控える新戸は主であるえりなの懇願を聞かず無下にするAに腹が立った。

新「っ…才波A！私と【食戟】しろ!!」
葉「はぁ!?」

何を言ってるんだこいつとAの横で傍観していた葉山は驚きの声を出す。
それを気にする事無く新戸は勝敗が決まった際の条件を述べる。

新「私が勝ったらえりな様の謝罪を受け入れてもらう!いいな!?」
『時間と食材の無駄。』
新「なっ!?」

Aは一方的な条件を飲むつもりも無く、挑まれた食戟事態が無駄と言い放つ。
新戸はそんなAに成すすべなく断られどうすればAが謝罪を受け入れるか思案する。

葉「…こっちが勝ったらお前等はどうするんだ？」
新「な、私が負けるとでも!?」
葉「あぁ。…A、お前が勝ったらこいつらどうする？」

負けるなんてあり得ないと言う新戸に葉山は否定し、Aが勝った際の条件を問う。