【中等部】16 ページ17
先程自分はなんて事を言ってしまったのかとえりなは顔色を悪くさせる。
尊敬する才波とその娘、そして店も侮辱し罵った事に冷や汗をかき、今すぐ謝罪しなければと思いえりなは教室を出ようとするAに駆け寄る。
え「あ、あの！私、貴女が才波様の娘って知らなくて…！」
『……。』
葉「(今度は何だよ…。)」
Aはえりなを見遣る事も話を聞く様も見せず足を進め、葉山も鬱陶しそうにえりなを見遣っては直ぐにAと共に続く。
え「さっきの事を謝罪させて欲しいの!!ねぇ、お願いだから、話を…!!」
新「え、えりな様！落ち着いて下さい！おい、そこのお前！えりな様がおっしゃっているんだから従え!!」
ここまで必死になるえりなを見た事が無い新戸はえりなを落ち着かせ、A達の足を止めようとするが一度もえりな達を見遣る事無く教室から出て行った。
A達は話を聞いてくれず謝罪も受け入れてくれないのだとえりなは絶望した様に座り込んだ。
教室を出て着替えたAと葉山は帰りのHRがある為教室に戻って来ていた。
葉「あいつ、親父さんの事知ってたみたいだな。様付けだったし。」
『興味ない。』
葉「まぁ、自業自得だし俺も興味ないな。…ていうか、意外と口悪いんだな、お前。」
先程のAの発言を思い出す葉山はAのまだ見ていない部分を知れたなと思う。
『うーん、普段は言わないけど。アレとか嫌いな奴には言うよ。』
葉「使い分けてるのか…。ま、突っぱねるには良いか。」
ちらほらと生徒が戻り始める教室でA達はHRが始まるまでゆったりと談話し時間を潰す。
殆ど生徒が戻って来た頃調理実習が同じ生徒から大丈夫かと問われ、それを発端に現場にいなかった生徒達は先程のAとえりなの場面を話す。
えりなの発言に言い返したAは、クラス内に実家が料理店である生徒達は良く言ったと歓喜していた。
星付きや有名な店の跡取りであり、えりな派閥の生徒はえりなの発言は正しいがえりなが尊敬する料理人の娘のAがどんな料理人か気になり始めた。
ざわつく教室内に教師が入った為騒ぎは強制的に鎮められHRを始める。
(えりなとアリスはAの事は覚えてるが、幼少という事で名前の漢字は知りませんしアリスはあだ名で呼んでました。しかもあまり写真が無い上に成長してしまった為幼少のAと中等部のAの顔が一致してません。しかもAは2人の事も忘れてます。)
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作者名：水煮缶 | 作成日時：2023年6月30日 0時
