un cuoco curioso① (ページ14)

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【中等部】13 ページ14

『双子？私のアキラが？』
葉「そ。Aが飲み物買いに行った時に聞かれたんだ。ペア決めるの早かったし入学して翌日からずっと一緒だから訳アリの双子か？って。」
『……想像豊かだね。』
葉「本当にな。まぁ俺は良いけど。」

他の生徒がAに対して距離を詰められない事と事情を知っている葉山はある種の優越感は持っているが独占する気は無くあくまでAが苦手な部類を選別しているだけ。
Aが大丈夫そうな生徒であれば交友関係を広げる事を進んで行う行動をする葉山と受け入れるAを見ていた生徒達は言われずも理解出来てしまい無意識に葉山と同じ行動を取る事となる。

『双子かぁ……。』
葉「Aは嫌か？」
『うぅん、嫌じゃない。面白い考え方だなって思った。』
葉「(ﾎｯ)…Aが嫌じゃないなら良かった。」
汐「ふふふ！葉山君とAちゃんが双子かぁ。確かに見た目は正反対だけど似てるもんね、2人共。」

正反対の見た目で似た境遇であり、コックコートは色違いとなればそう思われても仕方ないとAは思う。

『そんなに似てるかな？』
葉「さぁ？どうだろう。」

当事者2人は似てる点が境遇あるのか考えるが直ぐに出てこず、まぁ良いかと思考を放棄し葉山はスパイスを教える準備とAの着替えの為部屋を出た。
Aも葉山が出た後制服に着替え、丁寧に畳んだコックコートを鞄に詰め葉山の後を追う。

＊

入学して初めての調理実習は固定されてる授業枠とは違い生徒達が選ぶ選択科目であり、Aは葉山と共にフレンチを受講している。
色違いのコックコートに着替え髪も同じ様に一つに纏めたA達は調理室に入ると同じクラスの生徒が何名かペアでいるが、他クラスの人数の方が多かった。

葉「…A。」
『大丈夫。』

一気に知らない者が増えた為葉山はAを気に掛けるが、調理の授業だからか割と平気そうな顔をしていた。

葉「今日Aがメインでやるか？」

葉山はAにスパイスを教える代わりにAからフレンチやイタリアンを教えて貰っていた。
しかしまだ日が浅く基本的な物しか教わっていない為、メインで調理するならAだろうと考えた。

『どっちでも良いけど、私は良いよ。』
葉「よろしく。サポートは任せろ。」

談話する生徒達を気にする様子も無い二人はメインとサポートを決め、授業が始まるまでスパイスやフレンチの話を続けてた。