un cuoco curioso① (ページ11)

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【中等部】10 ページ11

2日目は殆ど学園内の説明や運用方法等の説明が主であった為、授業は衛生管理などの座学を受け放課後を迎えた。
放課後という事で周囲は自己紹介やら友人作りに勤しむ生徒が居たがAも葉山も共に帰宅準備をした。

葉「A、そのままゼミ行くだろ？」
『…うん。』
葉「(知らない奴が居ると口数減るな…)コックコートの丈詰めとかあるし、早く行こう。」

城一郎がゼミに来た際は聞かれれば答える程度だったが、教室では対話相手が葉山だとしても口数はかなり減った。
葉山は内心、人見知り通り越して拒絶に近いと思う。
それでもAは嫌な過去がある事は知ってたし無理に直させようとは思わない。

配布された教科書を鞄に詰めるAを待っている間、声を掛けられる事は無かったが此方を伺う生徒を視線を受ける。

端々に知り合いなのか付き合ってるのか見た目が真逆だけど双子っぽいと囁かれるが、Aも葉山も気にしない。

正直、双子っぽいと言われた事は嬉しいが。

『…お待たせ。』
葉「ん。…あ、丈詰めた後に朝言ったスパイス試すか？」
『…試したい。』
葉「了解(りょーかい)。何作るかな…。」

周りの声も目も気にせずお互いのテンポで会話をしつつ、教室内にいる生徒を見遣る事無くゼミに向かう。
見遣られる事もされなかった生徒達は口々2人の関係性を論じる事で以外な形で交流を深める事となる。

女1「…なんか、双子っぽいよね？あの二人。」
女2「確かに。葉山君と才波さん、見た目真逆だけどさっきのペア決めも早かったよねー。」
男1「親が知り合いとかじゃないのか？」
女1「でもコックコートを丈を詰めるーとか言ってたし。自己紹介の時も同じ感じだったじゃん？」
男1「あー、確かに！」
男2「2人共釣り目だったし、前世双子ってのも有りじゃね？」

Aと葉山の預かり知らない所で話は勝手に盛り上がっていた。

そんな話を露程知らないAは葉山と色違いのコックコートを着て縦の調整を行っていた。
袖は捲ればどうにでもなるがボトムの丈は股下のステッチを大幅に詰め丈も少し上げる必要があった。

『…多少緩くても大丈夫ですよ。』
汐「駄目だよ！身体に合った方が動きやすいしの！」
葉「これ、詰めるよりサイズ交換した方が早いかもな。」
汐「そうだね。一回Aちゃんのサイズ計ろうか！」

今のご時世配達の速さを売りにしている業者は多く、サイズ交換なら在庫があれば明々後日には届くので、汐見はAに着替えてくるよう言う。