un cuoco curioso⑱ (ページ48)

今日:7 hit、昨日:18 hit、合計:3,103 hit

【高等部二年】813 ページ48

予算案や会食の依頼に混じって調理の依頼があるが私は零席に戻ったことは公表して無いから全て創真宛の書類だ。

葉「そういうのは代わりに行けねぇから不承しかねぇな。」
『だよね…。』

それからは黙々の書類を片していき、日が傾き始めた頃に終わると休憩しようとお茶を淹れ直し一息つく。

葉「ふぅ…そういや来月だな、卒業式。」
『１年って早いなぁ…寧々先輩達も卒業か。』
葉「次は俺等が送られる側になるけどあんま実感湧かないな。」
『あぁそっか、アキラは卒業式に出た事ないよね。うーん…実際式当日にならないと実感は湧かないよ。』
葉「そうなのか？」
『…多分？人によるよ。』

小学校の卒業式が最後だったがあの時はクラスの奴らとおさらば出来る事と無駄に長い話に早く終われとしか思っていなかったから本当に人によるのかもしれない。

『でも成人まではゼミにいるから余計かもね。』
葉「Aは元帥だから今とあんま変わらねぇし俺も昔からゼミにいるからな…まぁ流石に籍入れたら出るけどな。」
『その前に土地の購入と実績を出す事が先だけどね。』

卒業後の進路は研究関係、私は味呈でアキラは香気の研究をメインにしており二つの研究を合わせクロスモダールの方向で考えているから企業との共同研究や論文などで実績を作る事が最優先だった。

葉「今も監修やら栽培方法の確立やら色々やってるからな、進級したらそっちに切り替えるか？」
『来月の決算期で目途が付いて一旦は終わるけど…おりえさん達の所は継続じゃないかな？』
葉「ハウビー食品は遠月の提携企業だからそのままで良いと思うぞ？それに唯一の大手企業だからな。」
『各部署から色々依頼が来てるし切れないってのもあるけどね。』
葉「Aが実地研修に行ったからこそだな、この間振込確認した時に各部署からの入金額がまた上がってたぞ。」
『なんか月を追う毎に増えてるよね…大丈夫かな？』
葉「ハウビー食品と税理士どっちだ？まぁそれは良いとして…専用実施権有りで監修商品の売上の10％はデカいよな。」
『もう専用実施権って時点で囲う気だった感じはあるよね。』

専用実施権は独占的使用権、つまりそれが向こうから提示され承諾すればこちらは他の企業でゼミや自分達の名前を出せなくなるがあくまで契約が終わるまでの一時的なもの。