un cuoco curioso⑯ (ページ9)

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【高等部２年】674 ページ9

予選が終わり葉山達が合流すると来週行われる準決勝の対戦カードを決めようとAは葉山達と共にえりなの執務室を出て十傑評議会が使う会議室に向かった。

タ「アリスさんの方で面白い品を作った生徒はいたか？」
ア「こっちの一位の子は中々面白かったわよ♪スペイン料理を主軸にしていたわ。」
葉「へぇ、後で審査の部分の録画見るか。」
『ちょっと気になるしね。…どっちも一位は私達の授業に出てる生徒だよ。』
タ「確か遠心分離機を使ってたが授業で教えたのか？」
『少しだけね、タクミはこの生徒の品は見た？』
タ「あぁ。見た限りイタリアンが得意そうだったし予選の品もイタリアンを巻物に落とし込んだようだ。」

予選での各会場にそれぞれいたアリスとタクミからどういう物だったか聞きながらAは予選進出者リストを眺める。

『イタリアンとスペインかぁ…。』
葉「こいつら授業じゃ真面目なのに今回は面白い事したな。つーか田所はどうした？」
ア「こっちに来る前に見掛けたけど、なんか幸平クんの様子が可笑しくてずっと声を掛けてたわ。」
タ「田所さんに先に行っててと言われたから来たが…大丈夫だろうか。」
叡「ま、幸平がいなくてもカードは決めれるからな。」
紀「各ブロックの出場者に番号を振ったから一人ずつクジを引いていって出た数字で一回戦から決めていきましょう。」

紀ノ國がクジの入った箱をアリスに渡し、アリスから順にクジを引き出た番号から一回戦の枠に入れていった。

葉「ABの一位は分かれたな…。」
叡「運が良ければ決勝でかち合いそうだな。」
『うーん…二人共成績は同じくらいだし、拮抗しそうだなぁ。』
ア「二人の成績はどの程度なの？」
葉「ウチの授業じゃトップだな。特に勝ち負けに拘ったりとかはしてねぇが、勝負の場だから授業じゃ見れない部分が見れそうだ。」
『授業じゃ大人しい方だし、授業前後の質問は毎回来るよ。』
タ「良い生徒じゃないか、どちらかが優勝したら講師として嬉しいだろう。」
『まぁ少しはね。選抜の後…実地研修や進級試験で落ちない方が嬉しいかな。』
ア「そうねぇ、確かに選抜は退学とか無いし…言ってしまえば十傑に目を掛けられる機会ってだけだものね。」
葉「実際現場に出て成果を出さない限りはいくら目を掛けても意味ねぇし、俺もAも調理に関しては合格ラインまで持って行く気だ。」
『あとは生徒次第だけど…馬鹿な事しなければ大概進級出来るでしょ。』

(割と自生徒を信用してるニコイチ。)