un cuoco curioso⑯ (ページ47)

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【高等部２年】712 ページ47

海外の名前が多い中日本人の名前もあるが殆どが一度はメディアで見たことのある名前やテレビ局に正直引き気味だったがもう間もなく月饗祭の開催日が迫っていた為諦める他ない。
リストを見るのを止めAは葉山の膝に乗り月饗祭のパンフレットを開くと葉山も後ろから覗き込むようにパンフレットを見る。

『やっぱ久我先輩と創真は中央エリアなんだ…。』
葉「今年は流石にど真ん中じゃねぇな、つーか一席が中央エリアって…。」
『しかもお店の名前そのまんま…スタッフ集めたのかな？』
葉「田所も中央エリアに店出してるし…出店しなさそうな美作あたりか？」
『美作なら引き受けそう。…十傑は叡山先輩以外皆いるね。』
葉「一色さんがいねぇぞ？」
『一色先輩は極星寮で出てるよ…ほら、芋煮会。』
葉「芋煮会って…。」

二席であるのに芋煮会で良いのかと言いたい葉山だったが、Aが慣れたように言ったということは毎年なのだろうと察した。

『あ、えりなも出店してる。』
葉「あいつ総帥だろ、良いのかよ出店して。」
『一応生徒だから良いんじゃない？それに提携企業がメインらしいし。』
葉「それもう接待じゃねぇか。」

パンフレットを二人で見ながらゼミや同好会、知人が出店しているのを見ながら去年とは違う月饗祭に緊張と楽しみが増えていった。

そして迎えた月饗祭は総帥であるえりなの挨拶と校歌合唱を行い、いよいよ始まった月饗祭にA達は気合を入れる。

ア「今年は山の手エリアでの売上一位を狙うわよ！」
タ「いや…価格が決まってて予約だから難しいだろ。」
黒「おい、お嬢の機嫌を落とすんじゃねぇ。」
葉「つーかお前らの所、今年は発注ミスしてねぇだろうな？」
ア「流石に今回はしっかり確認したわ！」
『なら良いけど…。』
イ「一番怖いよねー、そういうの。」

A達は開会式の場から一番遠い山の手エリアに向け車で移動し、各々頑張ろうと言って店に入りコックコートに着替える。

葉「食材、食器、スタッフ、手土産もあるな。」
『準備は整ってるし…開けようか。』

店の中に必要な物は十分揃っていると葉山が確認するとAは大通りに面した窓のカーテンを開け、出入口の扉に掛かるプレートをひっくり返すと案内役として雇ったスタッフに後を任せ厨房に入って下準備は始め客が来るのを待つ。

客【やぁMs,A、Mr,葉山！お会いできて光栄だ！】
【遠いところからようこそ。】
葉【ようこそいらっしゃいました、席にご案内いたします。】