un cuoco curioso⑯ (ページ43)

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【高等部２年】708 ページ43

『只でさえ高いチケット買ってコースだっけてのも味気ないからね。作るものは…日持ちしてバリエーションが多い焼菓子かなぁ。』
叡「海外からの客を考えると…クッキーみたいなのが良いんじゃないか？」

飛行機で訪れる客や国内の遠方から来る客を考えながら何が良いかと叡山のアドバイスを聞きつつ考えると不意にBLUEの試合のお題を思い出す。

『…日本・イタリア・デンマーク・インド・フランスの焼き菓子詰め合わせ？』
葉「4か国を選んだ理由は分かるが…なんでだ。」
叡「理由？」
葉「俺たちとアリスとタクミ達…いつもの面子の生まれた国を皆で旅行しに行こうって話しをしてて、だから選んだ理由は分かるんですよ。」
叡「へー、お前ら中等部から仲良いもんな。」
『そのお陰でデンマーク語とヒンディ語とイタリア語を覚えましたしね。で、フランスは最初に覚えた料理って事で選んだけどこの5か国の代表的なお菓子を私のスパイススイーツに落とし込もうかなって。』
葉「帰ったら試作な。」
叡「俺にも持ってこい。…でも良いんじゃねぇか？Aの5か国スイーツ詰め合わせなんてもも先輩も羨ましがるだろうな。」
『もも先輩が知ったら絶対送れって言われそうですね？うーん、なら方向性はそれで行こうかな。』
葉「今の所何を作るんだ？」
『あんま油を使ったりしたくないから…落雁・パンペパート・ヴァニリェクランセ・チッキ・クロッカンかな…。』

Aは今思い浮かべた日持ちしてスパイスも使える菓子の候補を上げると葉山も叡山も伝統菓子で固めた事が分かり今流行りの物でない方が良いと頷いた。

叡「歴史のある菓子をスパイススイーツにか…オークションの集客に使えんな。」
葉「それ争奪戦って言うより戦争になりますよ…敢えて言わない方が客も喜ぶと思いますが？」
『私もそう思う。あくまでバカ高いチケット買ってまで来てくれたお礼だしね。』
叡「…Aが言うなら告知はしない方向にするか。月饗祭が終わった後でも宣伝にはなるしな。」
『あんま宣伝されても来年に響きそう…。』
葉「新規で参加する人もいると考えると増えるだろうなぁ…。」

まだ今年の月饗祭も始まっていないが来年は最上級生になり最後の月饗祭という事に今年以上にヤバいのではないかと今から心配であった。

叡「ま、来年は規模を増やすなりして頑張るんだな。そうだ…俺も今年の月饗祭で最後だから記念ついでに内外装のデザインは俺が決めて良いか？」