【高等部２年】702 ページ37
着物が良いと言いたげな葉山からの念は強いがAは菓子を包む手を止めず頑なにスルーする。
葉「…この間買った源氏香柄が合うな、帯は黒字に金刺繍使えば翡翠とも合う。」
『……。』
葉「A。」
『……はぁー、分かった…着れば良いんでしょ。』
葉「(よしっ…！)」
捨てられた犬の様な顔をされればAも仕方ないと根負けし部屋に戻って着替えるが葉山は声に出さずにAから見えない位置で小さくガッツポーズをしていた。
着物に着替えるとしっかり制服を着た葉山にエスコートされながら共に紅葉狩りの会場に向かうと待機している使用人に菓子を渡しお茶と共に運ぶ様指示を投げ他の十傑と合流した。
ア「あら、Aが着物…絶対葉山クンが強請ったのね♪」
タ「それ以外無いけどな。」
葉「お前ら…紅葉と着物を着たA、似合う以外あるか？」
｢｢｢ない。｣｣｣
田「あはは…揃ってる…。」
アリスやタクミも似合うと頷きそれを見ていた田所は乾いた笑いが出るが、紀伊国や叡山達も集合すると和太鼓の音が鳴り選抜を進んだ１年生との顔合わせが始まる。
葉「今回もセンターに用意されてるな…去年と同じ位置で良いか。」
叡「一応幸平は中央の席な。」
創「うっす。」
葉山にエスコートされたまま畳に上がりそおのまま上座中央に置かれた膳の前に座り一年を見るとやはり緊張した面持ちで創真達十傑を見ていた。
創「紅葉狩りは二回目だけど…去年は先輩達が勝負受けてくん無かったっすよねー。」
久「「だぁーってそん時の幸平ちん達は雑魚だったじゃん！」
『…月饗祭で創真に売上で負けたのに。』
久「ちょっとちょっとちょっとAちん!?先輩の古傷抉るなんてメッよ！メッ!!」
紀「…気持ち悪いわね。」
田「あはは〜、ごめんね騒がしくて。」
一年｢｢｢｢｢い…いえ……。｣｣｣｣｣
創真と久我を筆頭に騒ぎ始め田所が申し訳なさそうにするが叡山を巻き込み更にうるさくなるとAを手を鳴らしお茶を運ばせる。
『煩いのは置いといて、お茶とお茶請け。今回は私が作ったよ。』
鏡英「「おぉっ！A姉様のスイーツ!!」」
葉「あ、丁度良いから二人共当ててみろ。」
騒ぐ２・３年を放置し葉山は水鏡と英に何を使ったか当てろと言うと他の１年も気になったのか早速菓子に手を付ける。
英「凄い上品な柚子の香り…これ砂糖漬けじゃなくてドライですか？」
(騒いでる中に黒木場とアリスとタクミもいる。)
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作者名：水煮缶 | 作成日時：2024年2月8日 23時
