un cuoco curioso⑯ (ページ34)

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【高等部２年】699 ページ34

レ「去年の選抜の時よりも荒々しいデスネ。」
宗「あぁ、連隊食戟でも常に余裕があったが…今回は別人のようだ。」
仙「幸平もトップスピードに入ったな。」

創真もトップスピードに入った事でどんな品が作られるのか真凪たちは真剣に調理光景を見ていた。
試合時間も半分が過ぎた頃葉山の調理台から漂う香りにAは勿論真凪や仙左衛門達も思わず葉山に注目し仙左衛門と真凪とAはニヤけていた。

真「これは…なんと複雑な香りだ。」
宗「いったい何種類のスパイスとハーブを使っているのか…恐ろしい嗅覚だな。」
薊「香りが喧嘩せずに綺麗に混ざり合っている…。」
『(ｽﾝｯ)…はぁ、やっぱ良い香り。アキラが調合してるところは見てないけど…大体２０種類かな。』
レ「20種類！？」
『スパイス以外にハーブとかも入れてるけどね。』

複雑に絡む香りに流石のAも大体数しか分からなかったが香りのせいであまり気にせず葉山の調理を見ながらニヤけていた。
お互い余裕の無い顔で調理を進めていき、時間ギリギリでクロッシュを乗せた皿を審査員とAの前に並べる。

『時間ギリギリ…アキラ大丈夫？』
葉「ハーッ…ハァー……大丈夫だ。」
創「フー…葉山があんな余裕なさそうにするなんてなぁ…。」
葉「じゃなきゃ時間内に終わらねぇしな。」
仙「では審査に入ろう！」

仙左衛門の声と共に審査が始まり先に創真、後に葉山の審査が行われどちらもおさずけが出る品に決めあぐねるがその中で真凪とAはもう一度創真の品を口にした。

真「……ふむ、やはりアキラの品の方がよく分かるのう。」
『うん…やっぱ創真って勝負馬鹿だったね。』
創「？どーいうことだ？」
『確かに創真の品から見えたビジョンはあるけど、その半分はアキラに勝つってのが占めてるよ。』
真「一方でアキラは勝敗よりもAの為の品と想っておる。このお題は"想いが見える皿"、そこに不純物があっては勝敗は決まるのだ。」

確かに葉山に勝つとは思ったがそれが逆に勝敗を分ける鍵になったとは思わなかった創真は悔しそうな顔をするが真凪が投票し始めると仙左衛門達も己が決めた者に票を入れていき頭上のモニターに結果が映し出された。

仙「…満場一致！勝者は…葉山アキラ!!!」
葉「よしっ!!!」
『完勝…！4-1くらいだと思ってtけど…良かったね。』
葉「あぁ！…はぁ、疲れた。」
薊「最初からトップスピードだったしね、よく頑張ったね。」
『余裕なんて微塵も無かったしね。』