un cuoco curioso⑯ (ページ27)

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【高等部２年】692 ページ27

運よく男女のペアになった事で喧嘩になる事は無かったと話し特にレシピについては深掘りせずAと葉山は残っていた仕事とを片す。

翌日の放課後になるとAの生徒は今日だけは質問を止め最前列の客席を取るために一目散に更衣室に向かうのを見送るとA達も食戟のため会場に向かう。
Aと葉山は会場で今回のペアを待ち、タクミと新戸と合流すると指定された調理台の近くで最終確認を行う。

タ「とりあえず今回はAに解体を任せても良いか？」
『いいよ、鰹くらいなら余裕。』
タ「クロマグロを捌いてれば大抵の魚は余裕だろ…。」
『しいて言うと鮟鱇かな？』
タ「鮟鱇…田所さんが解体出来るし今度教わったらどうだ？」
『え…田所って鮟鱇解体出来るんだ、今度聞いてみる。』
タ「あ…アリスさん達も合流したぞ。…薙切さんは黒木場とだが大丈夫か？」
『創真じゃないから大丈夫だと思うけど、どっちが主導で動くかだね。』
タ「それは誰だってそうだろう、薙切さんはサポート兼チューニング役も出来るからな…今回一番難しい相手だな。」
『味に関してはね、けどこっちは香りを存分に使うから。』
タ「流石A、頼りにしてるぞ！」
『OK。』

最終確認も終わるとA達は指定された調理台に立つと司会の川島が食戟の内容を説明し始めた。

川「A様のいる食戟は絶対に司会をしている川島麗でぇーす！さて、今回はなんとクジで決めたペアでの対決！そしてお題は…鰹と春菊!!間もなく時間となりますが聞くまでもなく燃えております！…それでは、調理―開始ッ!!」
『タクミ、春菊以外の下処理。』
タ「あぁ!!」

事前に打ち合わせしたレシピと工程が頭に入っているためお互いのタイミングとスピードを確認しながらあまり会話をする事なく調理していくAとタクミだったが他、特にえりなと黒木場の所はかなり騒がしかった。

え「ちょっと黒木場くん！それを使う予定では無かったでしょう!?」
黒「あぁ!?鰹と春菊なら使わねぇ手はねーだろぉ!!」
え「相性は良いけれどそういうのは事前に言いなさい!!」
タ「…本当に大丈夫か？あの二人…。」
『相性の良い食材だしレシピは変えてないから…多分。』

調理しながらもえりなは打ち合わせに無い食材を使う黒木場に怒り、バンダナを巻いているせいで気性が荒い黒木場も言い返しA達以外に葉山達も心配の目で見ていた。

(IFでもやっぱ仙左衛門が嫌われる未来しかないんだよなぁ…。)