un cuoco curioso⑯ (ページ19)

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【高等部２年】684 ページ19

英「あっ…A姉様に葉山先輩…すみません、負けてしまいました。」
『準決勝まで来た時点で大健闘だよ。でも英、負けたからっていつまでも落ち込んでたらあっと言う間に他に置いてかれるからね。』
英「はいっ今日の敗北は絶対自分の糧にします！それにあとは水鏡に預けました。」
水「英と一緒に決勝出たかったけど、こいつの分まで戦ってきます！」
葉「思ったより大丈夫だな。水鏡、預かったからには絶対勝てよ。」
水「はいっ!!」

先程涙を見せていたが今では相方に託し応援すると決めたのか顔は明るく、Aと葉山は賛辞と祝いの言葉と共に勝てと言って頷いた生徒が控室に戻るのを見送った。

葉「決勝に行ったら良かったが、意外な伏兵がいたな。」
『ちょっとビックリ、でもトルコ料理かぁ。1000年以上の歴史があるトルコの料理が得意なら向こうのが一枚上手だったんだね。』
葉「トルコは中央アジアやオーストラリアまで国土を広げた分料理の種類も多いからな。」
『…久々にアキラのバーガー食べたいなぁ。』
葉「少量でドルネケバブは作れねぇぞ…。」
『じゃあ炙りサンマのカルパッチョ。』
葉「それなら良いぞ。」

選抜の会場にいるからかAは去年葉山が作ったケバブバーガーが食べたい言うが葉山に無理だと言われ妥協でカルパッチョを催促すると快諾されたAは機嫌よく葉山と共に会場を後にした。

準決勝が終わり決勝まで数日となった頃、Aと葉山は講義をすべく調理室に向かい準備をしているといつもより早く生徒が調理室に集まり質問をし始めた。

『今日も早いなぁ…。』
葉「最近皆早いよな、選抜があったからか？」
「はい、予選で落ちちゃったから少しでも腕を上げないとって…。」
『うん、負けたからって予習復習を怠ってないなら大丈夫。』
水「あの、A姉様…少し聞きたい事があるんですけど。」
『ん？』
水「決勝の野ウサギを何人かの猟師から買ってみたんですがあまり質が良くなくて…。」
『質が良くない…それは多分罠に掛かった野ウサギをすぐに回収出来てなくてストレスが掛かったからだね。』
水「ストレスで肉質が変ったのか…。」
葉「今が旬の野ウサギの質が悪いってなるとそれしかねぇな。」
『流石に私のルート使うとなぁ…水戸と吉野のとこに行ってきたら？水戸は食肉、吉野はジビエだからそっちのルート使った方が後で卑怯だなんだって言われないと思うし。』
水「はいっ、今日伺ってみます！」
『ん。じゃあ揃ったし授業始めるよ。』