un cuoco curioso⑯ (ページ18)

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【高等部２年】683 ページ18

黒「それ…忘れられる事じゃないっすよね。」
新「そうだ…あの時は引き継ぎやら講師の招集などあって忙しかったんだ…。」
『忙しすぎて忘れてたんなら仕方ないか…。』
え「ごっごめんなさいA、通達を出した時点で完結してしまったみたい…。」
ア「あの時は屋敷もバタバタしてたものねぇ。」
『しょうがないから今回は許す。』

政権交代で遠月も薙切家もバタついてたのはAも知っており仕方ないとえりなの事を許すと申し訳なさそうな顔でえりなはAの横に座りアリスもレオノーラの横に座る。

新「お題は前菜…どのジャンルで来るでしょうか。」
『ん～…一方はスペイン料理だとしてもう一方は中華っぽかったよね。』
え「本選を見る限り中華がメインのようだったわ。中華にも前菜はあるけどフレンチやイタリアンのような前菜とは違うのよね。」
『中国と日本の前菜は先付けみたいな感じだから得意料理をどう表現するかだね。』

中華料理とスペイン料理をどう自分らしい品に創り上げるか期待しながら観戦する。
準決勝第一試合の勝者はAの生徒に軍配が上がるとインターバル無しで第二試合が行われ、イタリアンとトルコ料理の前菜は審査員も長考の末にトルコ料理に軍配を上げた。

『あーあ、良い所まで行ったのに…。』
薊「残念だったね…おや、Aのもう一人の生徒が声を掛けてるね。」
ア「相当悔しかったのね、泣いちゃってるわよ？」
え「…仲が良いのかしら、拳をぶつけ合ったわ。」
『授業じゃペアだし仲は良いよ。』
レ「なんだか青春を感じマスネ～。」
真「うむ、若人らしいのう。」
『この代だからあるんだろうけど…私たちの時だったら絶対ないよ。』
黒「絶対ねぇな。」
ア「寧ろリョウくん達は煽ってばかりだったわよね。」
『正直今より仲良くはなかったよね。』

A達は当時は今ほど仲良くなかったと言いながら決勝の説明がされる会場を見下ろしていると仕事の合間を見て来た葉山が入って来た。

葉「A、もう会場も終わりそうだがあいつらに声掛けに行くか？」
『うーん、そうしよっか。』
宗「ほう、一生徒に肩入れして良いのか？」
葉「肩入れではなく次の決勝への祝いとさっき負けた生徒への称賛ですよ。」
『そいうこと、じゃあちょっと行ってくる。』

何か言いたそうな宗衛を無視しAは葉山と共に会場入り口まで降りていきゲートを潜ってすぐの所で留まると観客より先に退場しようとする自身の生徒がA達に気付いた。