un cuoco curioso⑭ (ページ39)

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【高等部2年】634 ページ39

葉「(あ、たしか前に…)…前にA言ってたよな？何をしても会えない訳じゃない……それって幸平の母親には何をしても会えないけど別の場所で生きてる父さんには会えるからか。」
『うん、それに今はスマホがあるし連絡は取れる…けど母さんは違うからね。』
葉「あの時それはそうだけどって思ったが、そういう事だったのか。…今度のお盆に一緒に墓参り行こうな。」
『ん、父さんと創真もいるけど行こう。』
葉「あ…なら店とか商店街も見てぇな。」
『午前中はお寺とお墓だから…お墓行った後なら案内するね。』

亡き義母を思い出し眉尻を下げていたAだったが葉山を義母に会わせる事が出来るのと自身が育った商店街の見せれると少し悲しげではあったが嬉しそうに笑う。

《勝者……幸平創真―!!》
葉「よしっ！」
『次はえりなとの決勝戦…！』

Aの義母の話をしている間に結果が出たのかテレビから創真の勝利を伝えられ思わずガッツポーズをする葉山と今から決勝の行方が気になるAの耳にノック音が入った。

黒「うっす、中継見てたか…。」
葉「まぁな。で、どうしたんだ？」
黒「お前ら今から出れるか？」
『掃除と洗濯してからで良いなら。』
黒「主婦かよ…まぁいいや、お嬢から決勝が始まるまでに連れて来いって言われてるし。」
葉「アリスが？」
『父さんと堂島さんが会場に居る事は知ってるけど？』
黒「あー…お嬢が前Aに薙切薊の居所聞いてただろ？あれ…日本に連れて来るためだったんだ。」
『じゃあお父さんは今日本…しかも会場に居るって事？』
黒「あぁ。」
葉「真凪さんがいるからか？…まぁ良い、時間はあるし黒木場も掃除手伝え。」
黒「なんで俺まで…。」
『じゃあ私は洗濯してくるね。』

アリスの指示で迎えに来た黒木場を巻き込みAは洗濯、葉山はゼミ内の各所を掃除しにソファから腰を上げ行動を移す。
ゼミ内の掃除には時間が掛かり既に夕方を迎えた頃Aと葉山は黒木場と共にBLUEの会場に向かっていた。

葉「そういや最近新戸から連絡ねぇけど…えりなと一緒か？」
黒「お嬢と一緒にアメリカだ。つーかいつの間にえりなお嬢の事名前で呼んでんだ？」
『えりなの我儘。アリスもえりなの事は名前で呼んでるし構わないって。』
黒「やっぱ拗ねたじゃねぇか…。」
葉「総帥だから流石に呼び捨てるのはって言ったけどな。そういや今、会場には誰がいるんだ？」