un cuoco curioso⑭ (ページ37)

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【高等部2年】632 ページ37

『フカヒレにラヴィオリ…作った品は分かるけど一緒くたになったらどんな味か分からない。』
葉「皿や中身をみると中華寄りっぽいが実際は違うんだろうな…。」
『気になるなぁ…。』

朝陽の品を評価する執行官の声は聞こえなくてもその様子からかなりの美味である事は分かりAも葉山も朝陽の品が気になって仕方が無かったが画面に映った物に目を見開いた。

『は…？』
葉「服が…舞ってる？」
『…もしかして、おさずけ？』
葉「まさか真凪さんが口にしたのか？」
『今おさずけとかおはだけさせられるのはお母さんだけだし…神の舌が認めたってことだよ。』
葉「味は文句なしっつーことか。」
『ていうかさ…これ中継に映ってなくて良かったね。』

真凪がおさすけで会場は騒然としているがA達が見ている中継で観客席は映ってはいなくて良かったと安堵した。

葉「放送事故レベルだし、何より恥だな。」
『晒されてるもんね？会場にいなくて良かった。』
葉「本当にな……執行官たち、テーブルに伏せてるな。」
『なんか…余韻に浸ってる？満足してない？』
葉「次は幸平の審査だろ…大丈夫か？」
『もう一人執行官いるし大丈夫なんじゃない？創真の品は…ん？』
葉「…チャーハンっぽいな？」

朝陽に言われたのか創真はクロッシュを取ると中継にはチャーハンらしき品が映りAと葉山は思わず首を傾げた。

葉「具材は五大料理だとしてなんでチャーハンなんだ？」
『ピラフって言っても良いけど…デコラさん、無理矢理食べさせられた。』
葉「うおっ、スゲー勢いで掻き込んでる。」
真《…どうして食べてやる必要があるのだ？》
『創真、お母さんに食べないか聞いたみたい…大丈夫？』
葉「執行官の反応は良いけど、真凪さんだとハードル高いだろ。」
真《……ふん…申しておることは皆目要領を得んが…よかろう。》
『本当に食べるんだ…。』
葉「でも真凪さんが食っておさずけを出せば勝てるぞ。」
真《相手の品も食うたことだしのう、それとバケツを持てい。》
は「『…バケツ。』」
真《お前の品を食べ、反吐を吐き散らかした時のために用意しておかねば。》
『反吐って…。』

前もって吐く為のバケツを用意させる真凪にAは味に絶望してるのに食べようとする真凪に少し心配を覚えたが実食した真凪からの言葉に驚きを隠せなかった。

真《頬張り…噛み締めた瞬間!!予想だにしなかった極上の風味が口の中を！鼻孔を！脳天を!!突き上げてきおる!!!》