un cuoco curioso⑭ (ページ32)

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【高等部2年】627 ページ32

葉「真凪さんは…今のAが神の舌を持ってると知らないのか？」
タ《俺たちは言ってないからどうだろう…？》
『……なんか、えりなと私で差があり過ぎない？』
イ《うん、それはボクたちも思ったよー。それと"Aが３歳の時に初めて振る舞ってくれた品は失敗ではあるがそれは新たな品と言っても良い。"ってねー。》
『やっぱ失敗だったんじゃん…。』

初めて作った品はやはり失敗した品と分かると今では恥ずかしいと思い頭を抱えるがタクミは３歳なら仕方ないと擁護した。

タ《３歳で料理出来る方が凄いが…"Aの品はえりなと違い、食う者を思い作るからこそ更に美味と感じた"と言っていた。》
イ《それで幸平くんったら"夫婦揃って親バカっすか？"って聞いちゃってて笑っちゃったよねー！》
葉「あいつ大会の主催に何てこと言ってんだよ…。」
『あぁ…前にもお父さんに言ってたね。』
タ《流石に今回は肝が冷えた。…Aには悪いが、一度会ってみたらどうだ？》
『それこの間お父さんにも、一度きりでも良いから会ってみなさいって言われた。』
イ《なら大会の間に来る？後になって会いに行くのは大変だし…。》
『うーん………考えとく。』
葉「まぁ場所が分かれば行けなくは無いからな。」
タ《そうか、まだ大会が終わるまで時間はあるし検討してみてくれ。》
『…分かった。』

イサミが拉致され救助の連絡をした事のお礼からは話が脱線してしまったが、タクミもイサミも伝えなければいけない事は伝えたと言うと通話を切るが、Aは迷うような顔をするしかなかった。

葉「A…。」
『お母さんにとって私とえりなの違いって何だろう？』
葉「…これは俺の考えだけど一つは料理。二つ目は周りからの比較。三つ目は予想だが、味見役で家に居ないえりなよりもAと接する事が多かったことだと思う。」
『それって親バカってことじゃん。』
葉「義父さんもそれは同じだろ？それにいつからかは知らねぇけど、味に絶望しかけてる時だったらAの料理だけは美味いと思えたからこそ大切だったんじゃねぇか？」
『それは…どうだろう。今の私の料理じゃダメかもしれないし。』
葉「(何時になく弱気だな…)真凪さんが今のAの品を食いたいって言ってんだ、もし会って食わせる機会があって…もし駄目なら二度と会わなくて良い。」
『…もしそうなら、そうする。』
葉「ほらA。」

(会う気が無いと言った手前聞いたら迷うA。)