un cuoco curioso⑭ (ページ26)

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【高等部2年】621 ページ26

葉「やめとけ。おぉ、チョコレートが粉々だな。生地に混ぜて焼き上げるのか…。」
『ねぇ…オーブンになんか付いてない？』
葉「カメラもっと寄ってくんねぇかな…。」
『…あ、サージェさんが帽子取って…えっ？』
葉「今…オーブンの中が爆発しなかったか？」
『した、オーブンちょっと宙に浮いたし…爆破？』

中継では見え辛いがAと葉山はサージェが特殊改造されたオーブンを中で爆破させた事に驚いているがテレビに映るサージェは仕上げをしていく。

『へぇ、あの調理からは想像できない綺麗な仕上げだね。』
葉「調理工程と品の出来栄えが天地の差だな…。」
『先に審査に入った。』
葉「やっぱノワールは一筋縄ではいかねぇな、あの器具や発想は表の普通の料理人じゃ出来ないだろ。」
『そもそも普通の料理人はノワールが持つような特殊な器具は持たないしね。』
葉「あるとすればタクミとイサミのメッザルーナや司さんの特大グレーター…くらいか？」
『うーん…そうだね。メッザルーナ自体は普通だけどタクミとイサミの使い方が普通じゃないからなぁ。』
葉「一般用途の幅を超えてるもんな？」
『これも"異能"の一端って事なんだろうね。…創真がコンビニ袋片手に戻って来たんだけど？』
葉「さっきのコンビニに行ってたのか？あれは…山芋？」

既にサージェは審査に入る中、創真がコンビニ袋を持って戻って来た所を見ると調理台に置かれる食材はケーキに使われない食材だと葉山は怪訝な顔をするがAは思い出すように考えていた。

『………あぁ、あれか。』
葉「知ってんのか？」
『うん、小学生の時に甘い物が好きな常連さんがいたんだけど血糖値が引っ掛かって医者に控えろって言われてたの。そしたら父さん、創真と私に砂糖と乳製品なしで甘い物を作れって…。』
葉「小学生にやらせる事じゃねぇだろ!?なんだその無茶振り！」
『それが置き換えに繋がったんだけどね…まぁ豆腐とかアボカドとか使って作ったけど。』
葉「作ったのかよ…。」
『勿論作るよ。それにそれ以外にも無茶振りはあったし…。』
葉「まだあるのかよ？…幸平が本格的に調理に入ったな。」
『炭火…生地は薄いね。』
葉「薄い生地だと…ロールケーキか。」
『だとしたらブッシュドノエルじゃない？』
葉「お題がクリスマスケーキだからか、たしかにそっちを選ぶだろうな。」
『あ、カメラが少し寄ってくれた。…ん～？花火玉？』

(この連載をどこで区切るか決まって無いからどうするか…。)