un cuoco curioso⑭ (ページ25)

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【高等部2年】620 ページ25

薊《それは真凪にしか分からない部分だろうね。…Aは真凪に捨てられたと思っているかい？》

薊は電話の向こうで神妙な顔で真凪がA達を捨てたかどうか尋ねるとAは遠慮なく言葉を突き付ける。

『思ってるよ、私もえりなもお父さんも捨てて一度も連絡もない…出てきたと思えばノワールも使ってこんな可笑しな大会やってるし。』
薊《Aの言う事も分かるが…一度真凪に、お母さんに会って話してみなさい。ただ一度きりでも構わない。》
『…………機会があったら。』
薊《どこにいるのかは分かったんだ、会いに行こうと思えば会えるさ。》
『…うん、分かった。』

一度真凪に会って話してみろという薊に渋々了承すると間もなくトーナメントを開始するアナウンスがテレビから聞こえAは通話を終わらせた。

『………。』
葉「……会うのか？」
『お父さんに言われたし…そのうち会いに行く。』
葉「そうか…。第一回戦は幸平みたいだな。」
『相手は…さっきのノワール、サージェって言うんだ。』
葉「兵装料理(ﾃﾞｨｯｼｭ･ｱｰﾑﾄﾞ)…あのデカいチェーンソー、C･C･(ﾁｪｰﾝ･ｶｰﾋﾞﾝｸﾞ)ナイフって言うのか。」
『あれをカービングナイフを括りに入れちゃって良いの？』
葉「一口にカービングナイフつっても種類は多いから有りと言えば有りなんだろ。」

一回戦の対戦者である創真とサージェが司会の声で入場するのを見ながらサージェの道具に関心を持つがWGOが一回戦のお題を発表した。

葉「真夏にクリスマスケーキ…。」
『執行官(ﾌﾞｯｸﾏﾝ)もクリスマス使用で待ってる…。』
葉「つーかよぉ…暑い中ケーキは食いたくねぇよな。」
『アイスが良い。ていうか暑さでクリームが溶けるから気温を考慮したケーキを作りつつ重くないようにしないとね。』

中継では解説の声は入るが選手の声は入らずサージェと創真が何を言っているかAと葉山には分からずにいるが中継は調理が開始されたことを映す。

『……C･C･(ﾁｪｰﾝ･ｶｰﾋﾞﾝｸﾞ)ナイフで泡立てしてる。』
葉「器用だな…角度と一定の姿勢を保つだけでも大変だろ。」
『身体の軸がしっかりしてるんだよ。…兵装料理(ﾃﾞｨｯｼｭ･ｱｰﾑﾄﾞ)、面白いね。』
葉「絶対真似すんなよ？」
『流石にC･C･(ﾁｪｰﾝ･ｶｰﾋﾞﾝｸﾞ)は持てないから…あ、ハンマーはいけそう。』

(兵装料理に興味を持っちゃったAと怪我しそうだから止める葉山。)