un cuoco curioso⑭ (ページ16)

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【高等部2年】611 ページ16

最初に提案したのは薊だったがそれは公表される事無くAと葉山、自身の中で既に決まっているものとしていたがえりなからすればただ只管嬉しい事であり先ほどまで真凪の事で煮え切らない感情を持っていたえりなもAも既に真凪の事は頭から抜けていた。

葉「薙切は絶対否定はしないとは思ってたけどな。」
『良いんじゃない？義理の…姉になるのかな？えりなにＯＫ貰えて。』
え「お姉さまと呼んでも良いわよ！」
葉「呼ばねぇよ。」
『呼ぶなら名前じゃない？アリスだって薙切だと分からなくなるからって名前で呼ぶようにしたし。』
え「何よそれ、聞いて無いわ！」
葉「お前なぁ…自分の立場分かってるか？遠月学園の総帥に対して呼び捨ては流石に駄目だろ。」
え「アリスも呼んでるのよ、構わないわ！むしろそうしなさい!!」
葉「あー…はいはい分かったっての。…アリスもえりなも、従妹揃って我儘だな。」
え「！…ふふっ、我儘ではなくてよ、将来身内になるのだから早くても問題無いわ。」
『うっわ、凄い嬉しそう。』
葉「マジで親子だな、義父さん…薊も同じ様な事言ってたぞ。」
え「お父様も言っていたのね。」

先ほどの婚約の話も義父と呼ぶ事も薊から持ち出された事を知ったえりなはAや葉山に関する部分だけは似ているのかと考えるが、そこに関しては同じ考えで良かったと思うだけだった。

え「お父様からしたら…義理でも息子が増えたと喜んでいたかしら？」
『凄い嬉しそうだったよ。』
葉「親の心境は分からないが子供二人が女ってのもあるんじゃないか？」
『あぁ…確かにあるかも。』
え「そういうものかしら？」
『お父さんに会う機会があれば聞いてみたら？』
え「そうね、そうするわ。お母様の話からかなり脱線したわね…時間は大丈夫？」
葉「今日はキリが良かったし再考しなきゃいけなかったから問題ねぇよ。」
『というか煮詰まってたよね？』
葉「うっ…まぁそうだけど。」

実験の結果に納得いかず再考するが納得いかなかった葉山からすればいい気晴らしだとAがいうとえりなはこれを機に今まで気になって仕方なかったことを気負うと僅かに鼻息荒く前のめりで問い、時々言いにくそうにタジタジと答える葉山と容赦なく鋭く突っ込むAが執務室にいた。

(忘れられた真凪さんと妹(仮)夫婦と和気あいあいする姉の図。)