un cuoco curioso⑫ (ページ21)

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【高等部2年】516 ページ21

送り出されたAは裏口から出て隣の店の裏口に向かい葉山がいるであろう窓を一瞥してから扉の横のインターホンを押すと数秒置いて扉から女性が顔を覗かせた。

「待たせちゃってごめんなさいねぇ…あら、遠月学園の生徒さんじゃない。」
『(美人だ…)すみません、少し聞きたいのですが…。』

店の事を聞こうとしたAだったが、今しがた顔を覗かせていた女性が扉を開けAと対面する形になるとAはポカンと口を半開きにさせた。

『(え…？顔は美人…体は……マッチョ？…ん？？？)』
「あら、オネェは初めて？取って食べたりしないから大丈夫よ。」
『(オネェ…)…いえ、すみません。』

声も顔も紛うこと無き女性だったが首から下はラグビー選手やボクサーレベルでゴツく、Aはそのちぐはぐな姿に固まり脳内を疑問符で埋めるがオネェからの言葉に我に返る。

『(色白で背が高い…日本語も上手…)最近このあたりの店を潰してる奴を探してるんですけど…何か知りませんか？』
「潰してるねぇ…、確かに最近閉店した店が増えてきたわね？」
『(面倒だから直球でいいや…)休業してる理由は自分の店の備品にするためにってノワールが食戟を挑んで負けたからですよ。』

首を傾げるオネェにAも面倒くさくなったのか食戟やノワールの事も包み隠さず言うと意外そうに目を見開きオネェはAを品定めするように眺める。

「へぇ、遠月の生徒さんがまさか裏社会の料理人を知ってるなんて意外だわ。」
『私もとっ捕まえてこいって言われなかったら知りませんでした。で、あなたがノワール？』
「えぇ、そうよ？」
『…普通もっと隠すものだと思うけど。』
「すでにお嬢さんは私が怪しいと踏んで此処に来たのだから隠す意味はないわぁ。」

オネェは特に焦る事もなく自身がノワールだと認めた事でAは早く捕まえようと葉山に連絡を取ろうとするがオネェが手を叩いた事でスマホを取り出すのを止めた。

「そうだわ、遠月の生徒さんなら知ってるはず…ちょっと中でお話しましょう？お嬢さんに会わせたい子もいるの。」
『？……いいですよ。』

オネェは食戟を挑む所か会わせたい子がいると言った事にAは警戒しながら店の中に入るとすぐさま葉山から電話が入った。

『…アキラだ。(どうしよ…)』
「あら彼氏？出て良いわよ。」

(BLUEで出たオカマ達と違い完全顔は女性、だが身体はゴツイマッチョに思わずスペキャになったA。表情は総帥に指名されたえりなと同じ顔。)