【日プ１】produce101Japan BOYS and GIRLS【JO1】 (ページ33)

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30話ページ33

それからと言うもの、振力強さと男らしさを引き出しながらもしっかり女性らしさも併せ持つ振りを一生懸命になって考えて、練習を重ねた。
A－NON先生にも何度も振りを見てもらった。

「神宮寺さんの振りが弱いんだよね。もっと欲しい。」
『そこなんですけど、麗華ちゃんの味ってバレエからきたしなやかさとお嬢様としての根に染みた優雅さとか上品さだと私は思っていて、力強く踊るとそれが薄れるんですよ。だからどうするべきか悩んでいて。』
「なるほど、大宮さんはその味を残したい、むしろ押したいってことだね。」
『はい。それぞれの持っている味とか良さを全面に出したくて。』

何度も何度も相談した。

『先生。どうしたらここうまくいきますかね？』
「そこはね…。」

何度も修正して、表情までをプロデュースした。

本番まで何度も悩み、苦しんだ私たちはとても強い絆で結ばれていたと思う。気付けば私は彼女たちを呼び捨てで呼ぶようになったし、彼女たちも口調に変わりは無いとはいえ、明らかに年上に使っていた気を使わなくなった。

そして来たる本番。初めて国民プロデューサーの皆に会える日がやってきた。グループのみんながビックリするほどガチガチだ。

「どっ、どどどど、どうしよ、振り間違えたらっ…、緊張する…！」
『落ち着きなよ、もー。大丈夫に決まってるでしょ？私たちたくさん練習したんだからさ。』
「姉様、私どこか変なところありませんか？」
『大丈夫。今日もとびきり綺麗だよ。』

慰めるように頭を撫でて、少しずつ強張った表情が緩みガチガチに固まった体が動き出す。全員で励まし合ってステージを見上げた。とうとう前の組が終わって女子最後のステージが迫る。私たちの番だ。

「世界的人気を誇るK-POPアイドルと言えばBTS。唯一男性曲を踊ります。NotTodayのステージです！」

『さぁ、皆行こうか。』
「「「「うん！！」」」」

勝つのは私たちだ。心に闘志を秘めてステージに立った。

「さて、1組から挨拶をしていただきましょうかね。」

『はい。皆の姉さん兼グループリーダーの大宮Aです！』
「キュートでカッコいい橋下梓です！」
「白百合の似合う神宮寺麗華です。」
「私が一番かっこいいでしょ？赤井奈緒です！」
「月のように美しい、センターの水嶋瑠奈です！』
『私たちが負けるのは今日じゃない！せーのっ』
『「「「「Not Loseです！」」」」』