22話 ページ24
「ミヤねぇ！！」
クラス分けが終わり、こちらに一直線に走ってきた梓ちゃん。勢いをそのままに抱きついてきたのを転けないように踏ん張って支える。
『元気だね。昇格できたの？』
「うん！ほらみんな来て！」
そういった梓ちゃんとともに集まってきたのは、あの夜練を一緒にやった仲間だった。正さんと駿弥くんとヒコちゃん、そして仲良しの雫ちゃん。みんなニコニコとしていてとても嬉しそうだ。
「ヒコね、Bになってん！Aには行かれへんかったけど頑張ったやろ！Aお姉ちゃんのおかげやで！いっぱい教えてくれてありがと！」
「僕もCになったんだ。教えてくれてありがとう。ヒコほど成長はできなかったけど僕も中々やるでしょ？」
「俺はねぇ、Bクラスだったよ！もーほんとミヤちゃんのおかげ！ありがと！」
「私もCクラスに上がれました。これもA姉様のおかげです。」
「うちもね！Bなの！雫ちゃんもBなんだよ！みんな昇格！」
「もう梓っ！なんでうちの分も言うてまうの？！うちが言いたかった！」
キャッキャと笑いながら5人が嬉しそうに教えてくれたのが嬉しくて、こっちも笑顔になった。でも、どうしても訂正したいことがあった。
『でもそれちょっと違うな。私は何もしてない。教えてってきたのはみんなだし、上がる努力したのはみんなだよ。ちょっと手伝っただけで、上がったのは私の力じゃなくてみんなの努力と実力だよ。』
いくら私が熱心に教えていたってみんなのやる気と努力が足りなかったら2クラス,3クラスの昇格はなかった。これはまさしくみんなの努力が大幅な実力アップに結びついて結果に出ただけ。私は実力アップしやすように踊り方のコツを少し教えただけで、特に何もしてないのだ。
「せやけど、教えてくれへんかったら、上がっとってもヒコはCやったかもしれへんし、麗華ちゃんはDやったかもしれへんやろ？そやからAお姉ちゃんのおかげであるのは間違いあらへんで！」
「そうですよ！A姉様がいなかったら練習の仕方すら分からなかったかもしれませんのに！自虐するのはお辞めになって！」
『うん。ヒコちゃんも麗華ちゃんもありがとう。』
麗華ちゃんの感情が昂ると出るお嬢様のような言葉遣いも、ヒコちゃんのいつもより少しきつめの大阪弁も、全部私を思ってくれるばかりに起きたことで、ますます嬉しさが募る。
「あとね、さちちゃんが教えたいことがあるんだって！」
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作者名：おおはら | 作成日時：2021年10月7日 14時
