【日プ１】produce101Japan BOYS and GIRLS【JO1】 (ページ20)

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18話ページ20

さっき踊っていたときの血気盛んな表情とは打って変わって、褒められて嬉しいやら恥ずかしいやらで口をモゴモゴさせる彼はめちゃくちゃに可愛かった。態度が悪いとクラス分けで言われていた彼は本当に今目の前にいる彼と同一人物なのだろうか。

「直すところはないですか。」
『うーん…いい感じだっだけどなぁ…あ、強いて言えばこのところがね…、』

彼の使っていたタブレットを借りて音楽を流しながら踊ってみせる。と、彼の目がなんだかキラキラしているような…？

「さすがっすね大宮さん。クラス分けの時大宮さんのステージ見てかっこいいと思ったんで。」
『ありがとう、私は今のダンス見てもっと頑張らないとって思ったよ。』
「絶対Aいくんで、落ちないでください。」
『もちろん。私落ちる気ないから。』

結局その後、昼休憩が終わるまで二人で踊った。この生意気で可愛い彼は鶴房汐恩と言うらしい。なぜか彼は私を慕ってくれていて、敬意と親しみを込めてA姉さんと呼んでくれることになって、私も親しみを込めて汐恩と呼ぶことにした。たった40分の自主練ですごく仲良くなれた様に思う。
あの態度の悪さは言葉足らずと不器用さとトップへの熱が原因で本当はこんな可愛い子なんだと知ったら、私もこんなにキュンキュンしてるんだから国プはもっと彼を好きになるだろうという確信があった。

『じゃあね汐恩。私クラスに戻るから…、明後日のテスト頑張って、Aで会おうね。』
「おん。絶対Aクラス行くからAに残って待っとってください。そっちも落ちんといてくださいよ。」

今日も1日の練習が終わり、昨日と同じ夜練メンバーで夕飯を食べ練習を重ねる。昨日は23時までで終わった練習も、明日で再評価テストまでの練習がラストだからかみんな日付が変わった夜中の3時まで練習していた。かく言う私は解散しても練習をやめる気になれず、自販機の近い練習室に移動して練習を再開する気で廊下を歩いていた。

「あっ、大宮さん…。」
『どうしたの川西くん…！ひどい顔してるよ？』
「俺、なんかAに上がれん気ぃして…Aに行くために、蓮くんとか大宮さんとかとおんなじとこに立ちたくて頑張ってるけど、なんかうまくいかへんっていうか…しんどい。」
『わたし？』
「そう…。気付いとらんかもしれんけど蓮くんと大宮さんは練習生の目標やから。みんな二人を超えたいんよ。なのに…、」

だんだん俯いてった彼が、

「ごめんなさい。」

ぽつりとつぶやいた。