【日プ１】produce101Japan BOYS and GIRLS【JO1】 (ページ16)

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14話ページ16

「声出すくらいやってもらおうかな。」

WARNER先生に言われて一人ずつ踊り始める。…一成くんやっぱり上手だよな。先生にも褒められていてさすがだと思う。朱那は苦戦していた。

「桜井さんはさ、男女の差があるから多少しかたない部分はあるけど、力強さが足りてないんだよね。」
「はい。すいません。」
「ちょっと大宮さん踊ってみてもらってもいい？」
『わかりました。』

先生に言われてサビを踊る。力強さを意識して指の先まで勢いを持たせた。

「うん。大宮さんいいね。桜井さんは大宮さんより小さいからこれくらいできるようになって欲しいかな。」
「はい。」
「大宮さんもめっちゃ良かったけど、やっぱり男子に比べると強さ足りないから、せっかく男子顔負けの身長持ってるんだしもっとやってほしい。」
「今が本番だとしたら女子の割合が少ないから、二人だけ強さが足りなくて浮いちゃうんだよね。せっかく上手なのに強さで負けて浮くのは勿体無いと思うから頑張って。」
『「はい。ありがとうございます。』」

男子に負けるほどの強さしかないことがとても悔しくて仕方なかった。隣の朱那も悔しそうに唇をかんで、手を硬く握り締めている。上から手を握って緩めながら小さく話しかけた。

「手、痛めちゃうよ。」
「はい…。」
「私たち上手いんだってさ、もったいないんだって。一緒に頑張ろう。」
「はいっ…！」

可愛い妹分と絶対に同じ舞台で、同じAで一緒に踊るんだと強く思った。頑張れ私。

「ウェーブ、ちょっとやってみてもらっていいですか？」

先生の一言で一人ずつウェーブを見せることになった。私も朱那もダンスをやっていたし、滑らかなウェーブには自信があった。上から下へ、うねうねと体を波打たせる。

「うん。さすが大宮さんと桜井さんだね。女子っていうのもあるかもしれないけど、二人がウェーブは一番滑らかにできてる。」
『「ありがとうございます。」』

二人でこっそりタッチをする。そのまま朱那が手をキュッと握ってきたからこっちも柔く握り返した。みんなできている中で、未経験の來良くんだけがうまくできなかった。未経験さを感じさせない、Aになれる実力のあった來良くんに、初めて未経験だったんだと思わされた。何か私にできることはないだろうか。

レッスンが終わって、先生にまた質問をしにいく。さっきのボーカルレッスンの時よりもたくさん聞いて、6ページを真っ黒にした。