恋風乱舞【ars M.A】 (ページ2)

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2.コイ・ワズライ。ページ2

いつから意識してたかって訊かれたら、自分でもよく分かんない。

初めて会った時は、「可愛い一年生だなー」くらい。

次に会った時は、お弁当に入ってたお好み焼きが美味しかった。

その次は、一緒にお礼のパン食べた。

俺の唇に焼きそばパンの青のりが付いてるって教えてくれて、普通に普段のノリで「取って」って言ったんだけどAちゃんは直接取らずに鏡を貸してくれた。

『そっか、この子は簡単に男子を触ったりしないんだ』って気付いたら、自分が仲良くしてた女子と何か違うんだなーって

そーゆーフレンドリーな女の子もガード緩そうな女の子も、俺、健全な高校生男子だしもちろん好きだけど

でも、何か違うなーって。気になって...

...あ、そっか。
この頃には気になってたのか。

翔ちゃんに「俺、Aちゃん好きだ」って興奮しながら告白したのはAちゃんの口に食べかけのアイスを突っ込んだ後だったかな。

それだって、いつものノリだったんだ。

クラスの女子にやっても笑って終わるよーな、よくあるコトだったんだ。

なのに、アイスを俺に突っ込まれた(あ、言い方良くないな。入れられた...あ、これもやらしい)Aちゃんの顔が真っ赤になったの見て、俺の心臓もドキって鳴った。

気のせいかな、って思ったけど

ニノちゃんに説教されてる時も、何度も何度も真っ赤になったAちゃんの顔が思い浮かんで

初めて会った日と同じように真ん丸になってた目ばっかり思い出す。

「相葉ぁ、お前今って何されてんの？」
「え...？お説教？」
「全然、オレの話聞いてないよな？」
「ううん！ちゃんと聞いてるよ！」
「じゃ、オレは今何の話してた？」

目の前に居る、全然先生に見えないニノちゃんが腕を組んでオレの顔を覗き込む。

「え...っと...髪を黒くしろ...？」
「ブー！！昨日食った豚カツで胃がもたれてるわー、って話」
「何それ！全然俺に関係無いじゃん！」
「聞いてなかったくせに」
「あ......」

ハァ...と大袈裟に溜息を吐き出したニノちゃんが「説教内容は、いつもと一緒。髪の色とピアスな」って俺の頭と耳を指差した。

「別にな？お前がそんなナリでも真面目にやってんならオレも何も言わねぇよ？真面目じゃねぇから叱ってんの。分かる？」

はーい、って返事をすると次の授業の用意をして立ち上がったニノちゃんは「心ここに在らずだな」って俺の頭をコツンと小突いて

「恋煩いか？」

って、ちょっと笑ってたっけ。