空想カタルシス【ars S.S】 (ページ7)

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7.生徒会。ページ7

生徒会に上級生がまだいた頃まで。

俺と智くんは見事に何もしなかった。

と、言うか生徒会自体がそこまで活発に活動していなかった。
智くん以外が俺と同じ『進学に有利になるから』って理由で籍だけ置いてるような、そんな雰囲気で。

つまらない議題のつまらない会議をして、つまらない文化祭のつまらない企画を思案して。

スケッチブックを前にニコニコしてる智くんの横で俺は参考書を開きながら、今年もそんな感じでつまらなく過ぎていくんだな…と思ってた。

あの３人が生徒会の扉を開くまでは。

「スミマセーン」
「生徒会室って、ここですか？」

ノックと共に開いたドアの隙間から男子生徒が二人、ヒョコッと顔を出した。

色白で女の子みたいな顔をしたのと、多分日本人であってるはずのクッキリ美形のと。

「はい...あ、君達って...」

俺が立ち上がると、二人は部屋に入って色白の方が後ろ手に扉を閉めた。

「先生から指名されて...」

美形の方がペコリと頭を下げる。

どうやら、新しい生徒会のメンバーらしい。

「センパイ、よろしくお願いします」

ニッと笑った色白は...そうだ、今年の新入生の首席だ。
入学式で新入生挨拶をしていたから覚えてる。

「初めまして。会長の大野です」

ニッコリ智くんが笑う。

緊張の面持ちだった美形の表情が緩む。

「じゃ、君が書記！字、綺麗そうだから」
「えっ？」

智くんが突然役職を与え始めた。

書記に任命されたのは松本潤、新入生。
クッキリ美形の方。

「君は会計ね！お金好きそうだから」
「ンフフ、鋭いですねぇ」

会計に任命されたのは二宮和也、首席新入生。
色白の方。

「失礼しまーぁす！」

そこにガラガラッと勢い良く扉が開き、最後の一人が部屋に入って来た。

「相葉雅紀！二年生です！」

輝く笑顔、とはこういうのを言うんだなと思った。

俺の高校の毎日は、この日、色を持ち始めた。