空想カタルシス【ars S.S】 (ページ5)

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5.皆。ページ5

「才色兼備」
「容姿端麗」
「眉目秀麗」
「草食男子！」
「相葉さん、それは無いんじゃない？おバカな答えにも程がある」
「うっさいなぁ...じゃあ...あ！美人薄命！」
「翔くん、薄命にされてる！」
「元気そうに見えるんだけどなぁ...翔さん」

俺を入れずに会話が進む。

夕方頃、雅紀からメールが届いていた。
指定された店に行くと、まだ誰も来てなくて一人でビール飲んでホッケ食べてたら次々に雅紀が「皆」と言ったメンツがやって来た。

そして、上記の俺が入ってない会話が始まったわけだが。

「...何だよ、これ」
「古今東西！翔ちゃんの長所を表す四字熟語！イエーイ！」

雅紀が得意げに言うんだが...お前は「草食男子」って言ってたよな。
「美人薄命」って言ったよな。

「問題です！こんなに長所がいっぱいあるのに何で翔ちゃんは彼女が出来ないんでしょうか？」
「相葉さん、何それクイズ？」

俺を表す四字熟語は「眉目秀麗」と答えたニノが頬杖をつきながら俺をチラッと見る。
出版社に勤めるニノらしく、響きが綺麗な日本語を使うよな。

「頭脳明晰、でもあるのにねぇ」

智くんは「才色兼備」...だったか？
...どっちがだよ。
自分は新進気鋭のイラストレーターじゃないか。

「性格も悪くないと思うけどね、真面目だし」

「容姿端麗」はお前だろ！と言いたくなる潤がその綺麗な顔立ちで笑う。
この姿を生かしてモデルでもすれば良いのに、潤は実家の花屋を継いでる。

けど、それはそれで、メルヘンだ。
イケメンがいる花屋。
背景に花背負ってるなんて少女漫画でしか見たこと無いぞ。
超メルヘンだ！

「何...？翔さん...そんな目で俺を見ないで」

潤が怯えた顔になる。

そんな目って...どんな目だよ。

「ンフフ。翔ちゃん、潤くんを狙ってる目になってますよ」
「なっ...！違う！超メルヘンだと思っただけだよ！」

言ってすぐ分かったよ。

しまったー...って思ったよ。

でももう遅い。

「超メルヘン！！」

雅紀が爆笑して、もちろん残りの三人も俺を指差して笑い転げた。

そんな俺らは、高校時代の生徒会で知り合った関係。だったりする。