楽園クラッシャー【ars M.A】 (ページ24)

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24.天邪鬼。ページ24

「相葉さんがワタヌキさんの事オレに似てるって言ったの、何となく分かったわ」
「...そ？」
「うん。意志強そうだよな」
「うん...」

絶対、意志は強い。
曲がった事とか、絶対に嫌い！って言うと思う。

その他大勢には...なりたくないって...言ってたなぁ...。

「ニノはさ...誰かのその他大勢にはなりたくない...？」
「逆にその他大勢になりたいって言う人が居ると思うワケ？」
「居ないか...」
「居ないわ。誰だって誰かのトクベツになりたいに決まってんだろ」

トクベツ。

ニノはおにぎりをたいらげて、俺が食べられなかった唐揚げも全部引き受けてくれて口の中をいっぱいにしながら立ち上がる。

そして自分の鞄の中から紙袋を出して、「ん」と俺に差し出す。

「...何？」
「んんんっ！」
「...何言ってるか分かんないよ...」

ほっぺたの中にきっとお米と鶏肉が詰まってるニノは、俺の膝にその紙袋を乗せた。

カサカサと開くと、中には風邪薬。

「あ...俺、薬無いってのも言った...？」
「言ってねぇよ？でも無いんじゃないかなーって思ったから買ってきてやったよ」

水を飲んでほっぺたをスッキリさせたニノは、腰に手を当てて俺の前に仁王立ち。

「やっさしー！オレ！」
「うん...」
「はい、『カズくんありがとう』は？」
「...カズくん、ありがとう...」
「フハハッ！なぁに、構わんよ！」

ホント...暴君...。

薬をジャラ...と瓶から３錠掌に出して口に入れる。

それを水で飲み込んで、ソファにゴロンと寝そべる。

「相葉さん」
「...なにー...？」
「寝るなら寝室行けよ？ソファで寝たら酷くなんぞ？」
「...動けないんだって...」

身体、ホント重たい。

目を開けてるのも辛くて閉じてると、バサっと身体にあったかい重み。

「せめて布団くらい掛けとけよ」
「...ありがと...」

ニノが寝室から毛布と布団を持って来て俺に掛けてくれたらしい。

「寝てな？オレ、勝手にテレビでも観てるから。起きたらお粥でも作ってやるわ」
「...何か企んでる...？」
「人の好意は素直に受け取れ、バーカ」

布団の上から俺の身体をポコンと叩いたニノは、テレビの電源を入れてラグの上にゴロンと寝転んだ。

ホントは優しいくせに。

なんて言ったら、またうるさく言い返して来そうだな。