純情サディスティック【ars K.N】 (ページ28)

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28.ワンピース。ページ28

相葉さんが腕を組んで「んー...」って私を上から下まで見る。

こんなモデルみたいな男の人にジロジロ見られる経験なんて初めてで俯いてしまう。

「そのダッフルコートもニノのショートダッフルと何気にペアっぽくて可愛いんだけどぉ...」

ペア！？

言われて初めてそんな事に気付いて二宮さんを見ると、二宮さんも「あ、ホントだ」って今気付いたようだった。

「ニノと雰囲気合わせよっか！ねっ！」
「は...はい...」
「じゃ、ニノ立って！」

突然ふられた二宮さんは「はぁ？何でオレが？」ってふてぶてしく相葉さんを見上げてる。

「ニノと雰囲気合わせたいんだから、ニノのスタイル見なきゃ始まんないでしょ？立てって！」
「うっせー...声でけー...」

文句言いながらもソファから立ち上がる二宮さんが、何だが可愛くてむず痒い。

「あれっ！ニノ、今日のスタイリング素敵だねぇ！どこで買ったの！？その服！」
「...ホント面倒くせぇなぁ、お前」
「どこで買ったのー！？」
「うっせぇな！ここだよ！ここっ！ここの服だよっ！」

ケラケラ楽しそうに笑う相葉さんと、そんな相葉さんにつられてククッと笑う二宮さん。

何か、教室の端っこでワイワイ騒いでるクラスの男子と変わんない感じで、キュンとなる。

「とりあえず、このワンピースね」

そう言った相葉さんが私に見せてくれたのは、さっきチラッと見えて胸が高鳴ったモノ。

ライトグレーのデニムのワンピース。

上半身はビスチェになってて、ウェストの切り替えからたっぷりギャザーが寄せられてる。

そのギャザーのお陰でふんわりと広がったスカートがデニム素材なのに柔らかく見せてくれる。

「可愛い...」
「でしょ？それに、コレとコレ。はい、着替えて来て！」

いつの間にか他のアイテムを持って来てた相葉さんに試着室に押し込まれる。

渡された物を、身に着けて試着室を出ると相葉さんが目の前に居た。

「ん、サイズも大丈夫そうだね！ニノ、どう？」

ソファに座ってる二宮さんが「よいしょ」って小さな声を出して立ち上がった。

相葉さんと入れ替わるように私の目の前に立った二宮さんが、表情も変えずに目線だけで私を上から下まで見る。

やっぱり...こんな服、私にはまだ似合わないのかな...。

不安になって顔が上げられない。

「良いじゃん」
「え...？」
「似合ってる」

二宮さんを見ると、キュッと口角を上げて

「だから、胸張って顔上げろ」

って

微笑んでくれた。