極楽ハニー 3rd【ars K.N】 (ページ35)

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105.店長さんと彼。ページ35

足首が見える丈にロールアップされたブルーのパンツにインされてる、形の綺麗な白いシャツ。

足元は涼しげなエスパドリーユで、シンプルなのに洗練されてる相葉さん。

さすが店長さんだなぁ...と思ってると、相葉さんが「で、下着って？ニノのじゃないの？」とニノミヤに訊いた。

「うん、オレんじゃなくて...」
「...あっ！なるほどねー！はいはい、週末だもんね！」

ニヤリ、と片頬を上げた相葉さんに見られて恥ずかしくて逃げ出したくなる。

「女の子用のあるよ。ただうちに置いてるの機能性よりデザイン性重視だけど良い？」
「機能性ってあれだろ？ハンペンみたいな分厚いパット入ってる偽乳作るやつだろ？」
「ハンペン！アハハ！」
「そんなまやかしの機能はいらね」

ハンペン...入ってる！
今着けてるブラ、ハンペン入ってる！
まやかしの偽乳になってる！

「じゃ、こっちこっちー」

レディースの方に案内しようとする相葉さんにニノミヤが「お前が接客すんの？」って彼の腕を掴んだ。

「うん、ダメなの？」
「ダメ。下着だぞ」
「店長だよ？最高のおもてなしをするよ？」
「可愛い女の子をつけろ」
「キャバクラみたいに言わないでよ」

二人のやり取りは全く気にせずハンペン問題を考えてた私に相葉さんが「センパイちゃん」と声を掛けて来た。

「...え？」
「ん？センパイちゃんでしょ？」

私がキョトンとしてると、ニノミヤが妙に慌てた感じで相葉さんに近寄った。

「ちょ...相葉さん、待て待て待て...！」
「フフッ。あのねぇ、ニノが、もーずっとセンパイセンパイってうるさかっ...」
「バッッ！！おまっ...！！」

ニノミヤは相葉さんの口元をパッチーンと音がする程勢い良く押さえて「...くだんねぇ事言うなって、マジで...」ってボソボソ言ってる。

センパイセンパイってうるさかった...って、ちょっと...いや、かなり嬉しいかも...

そう思うと、ニヤニヤが抑えられなくなって俯いて唇を噛み締める。

「センパイちゃん、この子に接客して貰うから選んで来てー」

いつの間にか可愛い店員さんが相葉さんの隣に立ってて、微笑み会釈をくれた。

何かじゃれ合ってるニノミヤと相葉さんを横目に、店員さんと下着を選びに行く。

確かにそこに並んでるのは、ハンペンなんか入ってないオシャレ下着。

「素敵な彼氏さんですね」
「えっ！？」

店員さんににこやかに言われ、手に持ってたオシャレブラがポトリと落ちた。

彼氏、って響きに今更トキメいてしまう。