コイカゼ・ダイブ 3rd【ars M.A】 (ページ35)

今日:9 hit、昨日:13 hit、合計:971,934 hit

105.キドク・ドクドク。ページ35

急いで着替えて、二階にある自分の部屋に駆け上がる。

お母さんに「バタバタうるさいっ！」って、また怒られたけど

「ごめんなさーい！」なんて笑って謝っちゃう位に、私、フワフワ浮かれてる。

ベッドにゴロンと腹這いになって、相葉先輩からのLINEをもう一度開く。

登録名は『雅紀』なんだ...とか

アイコンが櫻井先輩と写ってる写真なんだ...とか

もう、全部にドキドキする。

ドキドキし過ぎて震えてしまってる指先で、ゆっくり、間違えないように返信を打つ。

出来上がった文章を何度も読み直して、誤字脱字チェック。

「よし...」

大丈夫。
送信をタップすると、画面に現れた私の送った文章。

『お疲れ様です。私もご飯食べたりしてたんで、遅いなんて思ってませんよ！大丈夫です(^o^)』

顔文字くらいなら...別に良いよね。
馴れ馴れしく無いよね。

少しだけ不安になりながら画面を見てたら、パッと付く『既読』

正直、既読が付くことがこんなに嬉しい事だなんて思わなかった。

今、私は相葉先輩と同じタイミングでスマホを見てるんだ！凄い！

だけど、その「嬉しい！」はすぐにヒヤヒヤに変わって

返信を待つ時間が、物凄く長く感じて

変な事、書かなかったよね...ってさっき何度も読み返した自分の文章をまた繰り返して読んでみる。

「あっ...」

暫くして返って来たのは

『俺、まだご飯食べて無いー。寝てたから(笑)』

って、何かもう、可愛い！って思ってしまう返信で

私も『早く食べて下さい(笑)』って、本当に笑いながら返した。

『でも、ご飯食べる前に明日の事ちゃんと決めとかなきゃと思って！』

明日の事...その言葉に心臓が走り出す。

『Aちゃん、どっか行きたい場所ある？』

そんなの...相葉先輩となら、どこだって良い。

相葉先輩が一緒に居てくれるなら、何だって良い。

けど、そんな事言える訳無い...

『先輩は、行きたい場所ありませんか？』

答えに悩んで、マナー違反ではあるなと思ったんだけど質問返しをした。

『俺？うーん...あ！観たい映画がある！』

その後に、ニコニコ顔のスタンプ。

『良いですね！最近映画観て無かったんで、行きたいです！』
『じゃあ、映画観に行こうね(^◇^)』

待ち合わせ場所や時間を決めて

『楽しみだね』って言葉にほっぺはユルユルになって

『おやすみ、また明日！』って言葉に、泣きそうな程嬉しくなった。

『おやすみなさい』って返したくせに、私全然眠れなかった。