70.ユウジョウ・ダッテ。 ページ35
六時間目は、大野先生の授業だった。
相変わらずの汚れた白衣で、やっぱり呪文にしか見えない数式を黒板に書く後姿をボーっと眺める。
そのまま視線を大野先生が立ってる教壇の真ん前に座ってるトモちゃんの後姿に向ける。
トモちゃんは、シャンと背筋を伸ばして先生の話を聞いてるのに
私は、今にも机に顔が付きそうな程に項垂れてる。
恋愛と友情を天秤に掛けると友情が壊れるって、どこかで聞いた事がある。
私は別に天秤に掛けた訳じゃないけど、どこかでトモちゃんに気を遣って
そのくせ、やっぱり相葉先輩との事で一人浮かれて。
だけど本当は、トモちゃんに報告して一緒にキャーって言いたかった。
言いたかったのにな...
そう思ったら、涙が溢れて来てやっぱり私は机に顔を伏せた。
授業中、皆に問題を解かせてる時に教室を歩いてた大野先生に「大坂さん？」って私の肩をトントンと叩かれたけど
顔を上げずに「ごめんなさい...」って小さな声で言ったら、先生は私の頭をポンと軽く撫でてまた歩いて行った。
六時間目が大野先生だと授業終わりにそのままホームルームになって、いつもより早く一日が終わる。
やっと涙が引いた私の元に、トモちゃんが気まずそうにやって来た。
「変な所で話終わっちゃったけど...嫌いって、Aの事が嫌いな訳じゃないからね？Aが気を使ってくれてたのは私の為だってのも分かるし...」
「......」
「恋なんてさ、皆が幸せにはなれないんだよね！誰かが幸せだと、その反対側には失恋してる人が居るの」
トモちゃんは綺麗な唇をキュっと上げた。
「私の失恋が櫻井先輩の幸せのせいだって言うなら、私はそれで良いかなって。だって櫻井先輩は幸せなんだから」
「トモちゃん...」
「櫻井先輩があんなに格好良いのは、きっと彼女のお陰なんだよ」
まぁちょっと強がりだけどね！って、私の背中をパンって叩いて笑う。
「で？そのチェックのシュシュは相葉先輩がくれたの？」
「...うん」
「うそー！でもちょっとポニーテール、雑じゃない？時間無かった？」
「あ...これ、先輩が結んでくれて...」
「えぇぇ！？」
トモちゃんが「何それー！」って、更に私の背中をパンパン叩く。
「詳しく聞かせて貰いましょうか？」
「...あ！じゃあスイパラ行こ！」
「そうだ！Aの奢りだ！」
胸に刺さってた棘が、抜けたような気がして
「トモちゃん、ありがと」
「フフッ、こちらこそ」
私達は顔を見合わせて、笑った。
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rei(プロフ) - メロさん» コメント、いつでも歓迎ですよー♪相葉さんにも手を出して(笑)もうガンガン手出ししちゃって下さい(笑)受験勉強のお邪魔にならない程度に息抜きとして★私もこんな高校生活を送りたかった...(過去形・笑) (2014年11月13日 14時) (
レス) id: 70a764d6f3 (このIDを非表示/違反報告)
メロ(プロフ) - いきなりのｺﾒﾝﾄごめんなさい!reiｻﾝの書く二宮ｻﾝのお話を読み終えて､ついに相葉ｻﾝにも手を出し始めてしまいました…(笑)受験生で勉強の合間にｷｭﾝｷｭﾝしながら読んでます｡こんな高校生活送りたいなぁと思います!早く更新に追いつくよう頑張ります♪ (2014年10月30日 23時) (レス) id: f2bcf3bc2b (このIDを非表示/違反報告)
rei(プロフ) - モチコさん» 私も高校生に戻って、相葉先輩みたいな格好良い先輩に恋したい！って毎回思いながら書いてます(笑)そんな先輩が居たら、学校楽しかっただろうなぁ...先輩、あんまり学校に居ないけど(笑)いつの間にか帰ってるけど(笑)大野先生は心のオアシス♪ (2014年8月20日 15時) (レス) id: 70a764d6f3 (このIDを非表示/違反報告)
rei(プロフ) - 雪月さん» 高校の頃の友達と嵐さんの話...出来ない(笑)私、高校の頃はそんなにミーハーじゃ無かったから友達もそんな感じの子ばっかり(^^;)何故私だけ立派なミーハーに育ったんだろう(笑) (2014年8月20日 15時) (レス) id: 70a764d6f3 (このIDを非表示/違反報告)
rei(プロフ) - せんさん» 大野先生、優しいんですよね。そんなに出番無いんですけど、出て来るとふんわり優しい空気感を作ってくれます♪桃のボディクリーム買われたんですね☆ホント、良い匂いですよねー！私もあの香りの香水を使ってます。もぎ立て！ (2014年8月20日 15時) (レス) id: 70a764d6f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2014年7月23日 14時
