コイカゼ・ダイブ 6th【ars M.A】 (ページ4)

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179.アノヒノ・ヨウナ。ページ4

「お前、目立つんだから隠れようとしても無駄なんだよ！」
「ニノちゃん、俺がお正月明けなのに頑張って起きた事を評価して欲しいよ」
「バッカじゃねぇの？学生が学校来る為に早起きすんのは当然だろうが。ってゆーか、起きれてないから遅刻してんだろ、バーカ」
「バカバカ言うな！先生のくせに！」

いつかのようなやり取りにに、クスクスと笑いが広がる体育館。

その中できっと、私は笑う事も出来ずにドキドキしてて

何にドキドキしてるのかも、よく分からなくなって来る。

最近は相葉先輩の私服ばっかり見てたから、制服姿ってだけでも萌えちゃうし

学ランからフードが出てるのが、やっぱりやっぱり大好きだし

クラスメイトに合流して、楽しそうに挨拶交わしてる(校長先生、話してるんだけど)その笑顔は泣きそうな位に格好良い。

私はもう、何度も何度も泣きそうになる。

悲しくもないのに、泣きそうになるんだ。

退屈な式が終わって体育館から出ると、相葉先輩が二宮先生に捕まってた。

「遅刻にピアス...もうお前、ホント頼むわ」
「ごめんね、ニノちゃん」
「ぜんっぜん、反省の色を感じねぇんだけど」
「ごめんなさい、ニノちゃん」

謝ってるけど、先輩の顔は笑ってて

隣に居る櫻井先輩にパコンと頭をはたかれてる。

「相変わらずだねぇ、Aの彼氏！」

トモちゃんが私の二の腕を肘でウリウリして来る。

「もーやめてよー！」

なーんて言ってるけど、ホントは『彼氏』って言葉が嬉しくて仕方が無い。

トモちゃんと話してる間も相葉先輩の笑い声が聴こえて、もう緩む頬を我慢出来ない。

「相葉、お前今日の放課後、国語準備室な」
「やだっ！お説教なら今全部してよ！」
「はぁ？もう教室戻るだろうが。お前だけに時間使ってらんねぇんだよ」
「だって放課後は...あっ！」

そろそろ私達も教室に戻らないと、と思って歩き出してた私の背中に

「Aちゃーん！」

呼び掛けられた、あの声。

驚いて振り返ると、相葉先輩が向こうの方でブンブン手を振ってて

その横で、櫻井先輩が眉を八の字にして呆れた顔してて

二宮先生は、私を見て首を傾げてフッ...と笑った。

「ニノちゃん、放課後はダメなの！一緒に帰りたいから、Aちゃんと！」
「お前...そーゆーコトかよ。でも無理ー。それとこれは別ー」
「ケチッ！」
「うっせぇ」

ククッと笑いながらこっちに歩いて来た二宮先生が

横を通り過ぎる時に、ポンっと私の頭に手を乗せた。