空想男子アディクション【ars】 (ページ12)

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長い睫毛も、そうだ、私の大好きなトコ。

ほっぺに二つ、目尻に一つあって繋げたら三角形になるホクロも大好き。

寝顔をジーっと見てたら、雅紀くんの手の中にあるスマホがけたたましく鳴り始めた。

「うわっ！？」

凄い音で、どう考えても近所迷惑。

「えっ！？アラーム！？」

焦って彼のスマホを手に取って、大音量のアラームを止める為に画面をスライドさせる。

「......え...？」

ロックもしてないそのスマホは、アラームを止めただけで待ち受け画面になった。

「...ん...朝...」

私が待ち受け画面を見てると、雅紀くんが目を覚まして「あ...Aちゃん、おはよ...」って目をシパシパさせながら言う。

「あれ...ここどこだ...？うぅ...身体が痛いー...」
「雅紀くん...」
「あ、そうだ。Aちゃんちの前だ...」
「ねぇ、雅紀くん」

まだトロンとしてる雅紀くんに、彼のスマホ画面を突き付けると

トロンとした目が一瞬でパチっと開いた。

「えっ！？うわっ！」

雅紀くんが私の手から、慌ててスマホを取りあげる。

「......見た...？」
「うん...。見るつもりは無かったんだけど、アラーム消したら...」
「マジで...」

うわぁぁ！ハズイー！って、俯いちゃった彼の待ち受けは

こないだ撮った、私たち二人の写真。

「雅紀くん、面倒だからって待ち受けは初期設定のまんまだったよね？」
「うん...でも何か、やってみたくなっちゃって...こーゆーのってしたコト無かったから」
「フフッ」
「いや、あの、すぐに戻すつもりだったんだけどね！？何か、いつでもAちゃんを見れるのがちょっと嬉しくなっちゃって...」

彼は、完璧な人...ってワケでは無い。

「ねぇ、何でこんなトコで寝てたの？私、家に行くって言ったのに」
「だって、来なかったら嫌だもん。待ち伏せしたの」
「待ち伏せって言うのかな、これ」
「言ったでしょ？『ずっと待ってる』って」
「普通、家で待ってると思うでしょ？」

彼には抜けてるトコがいっぱいある。

「雅紀くん、やっぱり今日は出掛けるのやめよ？」
「え？何で？...まだ怒ってる...？」
「雅紀くんちの大掃除しよう！いらない物、ぜーんぶ捨てちゃうから！」

立ち上がり腰に手を当て仁王立ちした私を見上げた雅紀くんが

「Aちゃん、ちょー可愛い！大好き！」

何故だか愛の告白付きで、楽しそうに笑って立ち上がり

体当たりの勢いで、私をギュウっと抱き締めた。

・・・END『BURST!』・・・