額に傷を持つ2人～謎のプリンス～起③～ハリー･ポッター (ページ50)

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行列は忽ち、音を立てることを許さないかの如く静まり返り、緊張感を持たせる。

ス｢中へ｣

その言葉を合図に辺りを見渡しながら、一歩一歩着実に歩を進めた。

スネイプはすでに、教室に自分らしい個性を持ち込んでいた。

窓にはカーテンが引かれていて、いつもより陰気くさいのだから。

壁に懸けられた新しい絵の多くは、身の毛もよだつ怪我や奇妙にねじ曲がった身体の部分をさらして、痛み苦しむ人々の姿。

それに眉をあげながら、ハリーとロン、ハーマイオニーに目配せをする。

スネイプらしいやと、皮肉を込めて。

薄暗い中で凄惨な絵を見回しながら、生徒たちは無言で席に着き、もちろん私達も静かに席に着いた。

「私は、まだ教科書を出せとは要求してはいない」と、扉を閉め、生徒と向き合うため教壇の机へと向かって歩きながら、スネイプが言う。

ハーマイオニーは、慌てて"顔のない顔に対面する"の教科書をカバンに戻し、椅子の下に置いたのが目の端に映る。

ス｢私が話をする。十分注意して聞くように────｣

暗い目が、顔を上げている生徒たちの上を漂っては、ハリーの顔に、他の顔よりわずかに長く視線が止まった気がする。

ス｢私が知るところ、これまで諸君はこの学科で五人の教師を持った｣

「知るところ？……全員が次々と居なくなるのを見物しながら、今度こそ自分がその職に就きたいと思っていたくせに」と、ハリーは心の中で容赦なく嘲けりが不意に聞こえた。

それに同意を示しながらも、無表情に聞く。

ス｢当然、これまでの教師たちは、それぞれ自分なりの方法と好みを持っていた。

そうした混乱にもかかわらず、かくも多くの諸君が辛くもこの学科の０・Ｗ・Ｌ合格点を取ったことに、私は驚いている。

Ｎ・Ｅ・Ｗ・Ｔは、それよりもずっと高度である。諸君が全員それについてくるようなことがあれば、私はさらに驚くであろう｣

スネイプは、今度は低い声で話しながら教室の端しを歩きはじめた。

皆んなが首を伸ばしてスネイプの姿を見失わないようにする、時々スネイプは闇に身を潜めるものだから目をよく凝らす。

「闇の魔法は」と、スネイプが微かに声の調子を変えるのに違和感が走る。

ス「多種多様、千変万化、流動的にして永遠なるものだ。戦うということは、多くの頭を持つ怪物と戦うに等しい。

首を一つ切り落としても別の首が、しかも前より獰猛で賢い首が生えてくる。諸君の戦いの相手は、固定できず、変化し、破壊不能なものなのだ」