額に傷を持つ2人～謎のプリンス～起③～ハリー･ポッター (ページ49)

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そんなロンの間抜け声を聞き流しながら、麗しのグリフィンドール談話室に私達は戻る。

七年生が五、六人いるだけで、がらんとしている談話室。

私が一年生でクィディッチ・チームに入ったときの、オリジナル・メンバーでただ一人残っているケイティ・ベルもそこに居た。

「Aとハリーが、それをもらうだろうと思っていたわ。おめでとう、それにしても2人のキャプテンとはね」と、ケイティは私とハリーの胸のキャプテン・バッジを指差して、離れたところから声を掛ける。

ケ｢いつ選抜するのか教えてよ！｣

「バカなこと言うなよ」と、ハリーが口にする。

ハ「君は、選抜なんか必要ない。五年間ずっと君のプレイを見てきたんだ」

「最初からそれじゃいけないな」と、ケイティが警告するようにジェスチャーを示した。

ケ｢私よりずっと上手い人が居るかもしれないじゃない。これまでだって、キャプテンが古顔ばっかり使ったり、友達を入れたりして、せっかくのいいチームをダメにした例はあるんだよ｣

ロンは、ちょっと落ち着かない様子で、ハーマイオニーが四年生から取り上げた噛みつきフリスビーで遊び初め、私はロンと一緒に馬鹿をする。

フリスビーは、談話室を唸り声を上げて飛び廻り、歯をむき出してタペストリーに噛みつこうとした。

クルックシャンクスの黄色い目がそのあとを追い、近くに飛んで来るとシャーッと威嚇するだけだ。

一時間後────

しぶしぶ太陽が降り注ぐ談話室を離れ、四階下の闇の魔法に対する防衛術の教室へと3人で向かう。

日差しが強く眩しい。そんな空の下でハーマイオニーは、重い本を腕一杯に抱え、「理不尽だわ」という顔をして、すでに教室の外に並んでいた。

そんなハーマイオニーは、私たち3人を見つけると、声を落として｢ルーン文字で、宿題をいっぱい出されたのよ｣と不安を漏らす。

ハー｢小論文を十五インチ、翻訳が二つ、それにこれだけの本を水曜日までに読まなくちゃならないのよ！｣

ロ｢お気の毒様｣

「見てらっしゃい」と、ハーマイオニーが恨めしげにロンを見つめて私はにこやかにそのやり取りを見つめる。

ハー｢スネイプ先生もきっと山ほど出すわよ｣

その言葉が終わらないうちに、教室の扉が開いて、スネイプが、いつものとおり、両開きのカーテンのようなねっとりした黒髪で縁取られた土気色の顔で、廊下に出て来る。

全くいつもの調子で────