額に傷を持つ2人～謎のプリンス～起③～ハリー･ポッター (ページ23)

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ホ｢記憶によれば、ランチ・カートは杖型甘草飴がどっさりで、年寄りの消化器官にはちょっときついのでね────ベルビィ、雉肉はどうかな？｣

ベルビィはぎくりとして、冷たい雉肉の半身のような物を受け取った。少しネビルに似てるように感じる。

「こちらのマーカス君に、いま、話していたところなんだが、私はマーカスの伯父さんのダモクレスを教えさせてもらってね」と、

今度はロールパンのバスケットを皆に差し出しながら、スラグホーンが私とハリーとネビルに向かって言う。

やっぱり、私の確かな記憶があっていた。

ホ｢優秀な魔法使いだった。実に優秀な。当然、マーリン勲章を受けてね。伯父さんにはしょっちゅう会うのかね？マーカス？｣

運の悪いことに、ベルビィは、雉肉の塊りを口一杯に頬張ったところで、返事をしようと焦って、慌ててそれを飲み込み、顔を紫色にして咽せ始めた。

「アナプネオ(気道よ、開け)！」と、スラグホーン先生は、杖をベルビィに向け、落ち着いて唱える。

ベルビィの気道はどうやらすぐに開通したようで、またオドオドと話し始めた。

「あまり……あまり頻繁には、いいえ」と、ベルビィは涙を滲ませ、ゼイゼイしながら言った。

「まあ、勿論、彼は忙しいだろうと拝察するが」と言ったスラグホーンは、ベルビィを探るような目で見た、きっと優秀な人なのかを見抜いているのだろう。

ホ｢トリカブト薬を発明するのに、伯父さんは相当大変なお仕事をなさったに違いない！｣

「そうだと思います……」と言ったベルビィは、スラグホーンの質問が終わったとわかるまでは、怖くてもう一度雉肉を頬張る気にはなれないようだった。

ベ｢えー……伯父と僕の父は、あの、あまりうまくいかなくて、だから、僕はあまり知らなくて｣

スラグホーン先生が冷ややかに微笑んだので、ベルビィの声はだんだんか細くなった。彼の微笑みは、怖いものだと感じる。

スラグホーン先生は、次にマクラーゲンに話し掛け、私は早く終わって欲しいと願いながら、視線を下に下ろしてボッーとする。

「さて、コーマック、君のことだが」と、スラグホーンが言葉を放つ。

ホ「君が伯父さんのチベリウスとよく会っているのを、私はたまたま知っているんだがね。なにしろ、彼は、君とノグテイル狩りに行ったときの素晴らしい写真をお持ちだ。ノーフォーク州、だったかな？」