額に傷を持つ2人～謎のプリンス～起③～ハリー･ポッター (ページ13)

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おじさんは、大層驚いているようにも見えた。そして、少し呆れているようにも。

ア｢ハリー、A、例のあの人が16歳の子供を受け入れるとは思えないが｣

「例のあの人が、何をするかしないかなんて、本当にわかる人がいるんですか？」と言ったハリーは、声を荒らげていた。

確かにそうなのだ。ヴォルデモートの考えることなんて分かる人がいるはずもない。

別にヴォルデモートは、ドラコに能力を求めていなければ、ルシウスに対する罰なのだから16歳だからどうかなど気にするにも値しない。

ヴォルデモートの言葉に驚かされるばかりだが、彼の言動は確かに機知を備えた言動をしている。

それを勘づくハリーのなんと勘が鋭いことか。

ハ｢ごめんなさい、ウィーズリーおじさん。でも、調べてみる価値がありませんか？

マルフォイが何かを修理したがっていて、その為にボージンを脅す必要があるのなら、多分その何かは、闇の物とか、何か危険な物なのではないでしょうか？｣

「正直言って、ハリー、そうではないように思うよ」と、おじさんがゆっくりと言う。

ア｢いいかい、ルシウス・マルフォイが逮捕されたとき、我々は館を強制捜査した。危険だと思われる物は、我々がすべて持ち帰った｣

「何か見落としたんだと思います」と、ハリーが頑なにも信じてもらおうと諦めようとしない。

そんなハリーに私は、微笑ましくも思った。辺りから金木犀の香りがして私の中を突き動かす。

ア｢ああ、そうかもしれない｣

その言葉は、単に調子を合わせている言葉だ。

『ウィーズリーおじさん。信じるも信じないも勝手ですが、なぜそのドラコが欲しいものが館にあると限るのですか？

なぜ限定して視野を狭めるのですか？私はそれがどうにも理解できないです。館にあれば、ドラコはいつでもあの店に行けたはずだ。

しかし、行かなかった。というより、館にないからこそ、行けなかった。手段がなかったと考えるのが妥当だと思いますがね』

私は、飄々と笑いながらも鋭い言葉を口にすると少しおじさんが戸惑う。

私達の背後で汽笛が鳴り、ほとんど全員、列車に乗り込み、ドアが閉まりかけていた。

「急いだほうがいい」と、おじさんが促すと、おばさんの声が後を追うように聞こえる。

モ｢A、ハリー、急いで！｣

私とハリーは急いで乗り込み、おじさんとおばさんがトランクを列車に乗せるのを手伝った。