額に傷を持つ2人~不死鳥の騎士団~終④~ハリー･ポッター (ページ6)

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数秒間、私達とダンブルドアは見つめあっていた。

『出してください』

ダ｢ダメじゃ。気が済むまで、私の持ち物を破壊し続けるがよい。持ち物が、寧ろ多すぎるのでな｣

ダンブルドアは、自分の机に歩いて行って、その向こう側に腰掛けて私とハリーをじっと見る。

私は、冷たくダンブルドアと同じくらい落ち着きはった声で聞く。

『どうすれば、ここから出してくれますか？』

ダ｢私の話が済むまでじゃ。君達は私に対してもっと怒って当然なのじゃ。

もし、私を攻撃するつもりなら、君達が攻撃寸前の状態であることはわかっておるが、私は攻撃されるに値する者として十分にそれを受けたい｣

『何が言いたいんですか？』

冷ややかな目をダンブルドアに向ける。これまで以上の嫌悪感を持って。

ダ｢それとも、殆ど私のせいじゃというべきかもしれぬ。全責任があるなどというのは、傲慢というものじゃ

シリウスは勇敢で、賢く、エネルギー溢れる男じゃった。そういう人間は、ほかの者が危険に身を曝していると思うと、自分がじっと家に隠れているなどということは、到底満足できぬものじゃ。

しかしながら、今夜君達が神秘部に行く必要があるなどと、君達は露ほども考える必要はなかったのじゃ。

もし、私が君達に対してすでに打ち明けていたなら、打ち明けるべきじゃったのだが……

君達はヴォルデモートがいつかは君達を神秘部に誘き出すかもしれぬということを知ることができていたはずなのじゃ。

そうすれば、君達は決して、罠に陥って今夜あそこへ行ったりはしなかったじゃろう。

そして、シリウスが君達を追って行くこともなかったのじゃ

責めは私のものであり、私だけのものじゃ｣

無意識にダンブルドアをじっと見て突っ立っていた。ほとんど息もせず、耳を傾けていたが、聞こえてはいてもほとんど理解出来ない。

ダ｢腰をかけてくれんかの｣

命令ではなくお願いしているように聞こえた。ためらったが、私とハリーは、ゆっくりと、銀の歯車や砕けたモノが散らばる部屋を横切り、ダンブルドアの机の前の椅子に腰掛ける。

フィニアス・ナイジェラスが私の左側でゆっくりと言う。

フィ｢こういうことかね？私の曾々孫が……ブラック家の最後の一人が……死んだと？｣

ダ｢そうじゃ、フィニアス。しかし、最後の一人ではない、A･ブラックがまだ生き残っておる｣

フィニアスの声はぶっきらぼうに｢信じられない｣とでも言っている声だった。