額に傷を持つ2人~不死鳥の騎士団~終④~ハリー･ポッター (ページ15)

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ダンブルドアは、陽光に照らされた校庭を、窓越しにしばらくじっと見ていたが、やがて私達に視線を戻し、語り始める。

ダ｢5年前、私が計画し意図したように、A、ハリー、君達は無事で健やかに、ホグワーツにやって来た。

まあ────完全に健やかとは言えまい。

君達は苦しみに耐えてきた。伯父さん、伯母さんの家の戸口に君達を置き去りにした時、そうなるであろうことは、わかっておった。

君達に、暗く辛い十年の歳月を負わせていることを、私は知っておった｣

ダンブルドアが言葉を切り、私とハリーはただ何も言わず黙っていた。

彼がこれから話すことは何となく胸騒ぎを覚える。

ダ｢君達は、疑問に思うじゃろう。当然じゃ────なぜ、そうしなければならなかったのかと。

誰か魔法使いの家族が君達を引き取ることはできなかったのかと。

喜んでそうする家族はたくさんあったろう。君達を育てることを名誉に思い、大喜びしたであろう。

私の答えは、君達を生き延びさせることが、私にとって最大の優先課題だったということじゃ。

君達が、どんなに危険な状態にあるかを認識しておったのは、私だけだったじゃろう。

ヴォルデモートは、それより数時間前に敗北していたが、その当時の支持者たちは……その多くが、ヴォルデモートに劣らぬほど残忍な連中なのじゃが。

まだ捕まっておらず、怒り、自暴自棄で暴力的じゃった。

さらに、私は、何年か先のことも見越して決断を下さねばならなかった。

ヴォルデモートが、永久に去ったと考えるべきか？

私は、必ずや彼が戻って来るという確信があった。それに、彼を知る私としては、彼が君達を殺すまで手を弛めないじゃろうということも確信していた。

私は、ヴォルデモートが、存命中の魔法使いの誰をも凌ぐ広範な魔法の知識を持っていると知っておった。

私が、どのように複雑で強力な呪文で護ったとしても、彼が戻り、完全にその力を取り戻したときには、破られてしまうじゃろうということがわかっておった

しかし、私は、ヴォルデモートの弱みも知っておった……そこで私は決断したのじゃ。

君達を、護ることができるのは古くからの魔法であろうということをじゃ。

それは、ヴォルデモートも知っており、軽蔑していた魔法じゃ。それ故彼は、その魔法を過小評価してきた。

身をもってその代償を払うことになったが。私が言っておるのは、もちろん、君達の母上が君達を救うために死んだという事実のことじゃ｣