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ダ｢あの者は、話したがらなかったが、開心術士の心得ぐらいはあるのでな、クリーチャーの嘘を見抜くことぐらいできる。
全貌を聞き出してから、神秘部に向かったのじゃ｣
その言葉は、どこか悲しさを含んでいた。哀愁が鼻に届く。
事を言えば、ハーマイオニーが正しかったのだ。クリーチャーに親切にしろと……
それは、全くもって正しい事だった。クリーチャーは、危険因子にも成りうる存在だったのだから。
ダ｢シリウスは、クリーチャーを親切にし、尊重をしなかった。あるいは、クリーチャーが人間と同じように鋭い感情を持つ生き物だとみなしたことがなかったのじゃろう｣
そんな、そんな言い方はないだろう。何故、シリウスが責められなければならないんだ。
息が急に詰まる。
言葉がまともに出て来ない。いったんおさまっていた怒りが、またしても燃え上がる。なぜ、貴方に……ダンブルドアにシリウスの批判なんかさせるものか。
彼は、確かに懐が深く、少し短気ではあるけれど、頭も良く、勇敢な人だった。
彼には純血主義のブラック家が合わなかっただけなんだ。
それなのに……貴方はそれを分かってるはずなのに、何故その可能性を考えなかったのか。
腹ただしい思いがダンブルドアに向かう。
ダ｢我々魔法使いが、クリーチャーをあんなふうにしてしまった。誠に哀れむべき者なのじゃよ、君達の友人のドビーと同じように、惨めな生涯を送ってきた。
あの者は、いやでもシリウスの命令に従わざるを得なかった。シリウスは、妖精自身がしもべとして仕える家族の最後の生き残りじゃったからのう。
いや、Aもいる訳じゃが。しかし、心から忠誠をシリウスから感じることができなかった。
クリーチャーの責任が何であれ、シリウスがクリーチャーの運命を楽にするために何もしなかったことは、認めねばなるまい｣
『そんな言い方はやめて欲しい』
無意識にも私は怒りを叫び、椅子から立ち上がる。激しい怒りで、ダンブルドアに飛びかかりたくなる。
『貴方は、理解出来たはずだ。シリウスが自分の生まれをよく思ってないことも、その中でクリーチャーと良く接することが出来ないということも。
クリーチャーは、純血主義の影響を強く受けていた。それに対して、シリウスは純血主義を良く思っていなかった。
双方が貴方が思うようなことができるような可能性は少ないと考えなくとも分かるはずだ。
それなのに、貴方は……貴方は。
余りにも無責任だ』
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作者名：おにぎり食べたい | 作成日時：2021年3月15日 19時
